タトン峠でヒンドゥ寺院の工事が始まったのはそんなに昔のことではないと思う。2015年ごろか。
土地が造成され、コンクリート打ちっぱなしの本堂ができ、ついには巨大な極彩寺院として完成したのは2018年ごろではなかったかと思う。
寺が完成してからこの場所を訪れるのは初めてである。いくらなんでもこれは素通りできないだろう。
寺の境内の入口には山門。その先に塔門、拝堂、聖室と並ぶ。
そして塔門の右側にはムルガン神と思われる大仏がそびえる。
さっそく入ってみよう。
山門をくぐると左側に四方吹き放ちの舞台のようなものがある。
中央には蓮台。ここは何をするところなのだろう。
驚くのは天井に描かれた曼茶羅。
鉄骨の貧相な建物の外観にそぐわぬ、すごい迫力の曼茶羅だ。
山門を入って右側には巨大な神像。高さは8mくらいありそう。
ムルガンだよね、たぶん。眷族のクジャクもいるし。
別の名をスカンダともいい、日本の仏教の韋駄天の原初の姿といわれる。
塔門はピンクとオレンジを基調としたすばらしい極彩具合。
建物の造形が面白すぎる。
いや、自分のなじみのない宗教に対して、面白いという言い方は失礼千万なのは認めたうえでも、それでも面白い。
どうしてこんな意匠を思い付くんだろう。
建物の外壁にもたくさんの神像があり、ひとつひとつが丁寧に彩色されている。
これもムルガンかな。
塔門を過ぎると屋根のある吹き放ちの空間があり、その先に拝堂がある。
これまでいくつか見てきた、塔門と拝堂が一体化した建物とはちょっと意味合いが違いそう。
拝堂の入口を固めるダンディなおじさま。
僧侶だか寺男だかわからない人がいたので、挨拶したら案内してくれることになった。
拝堂の中へ。
例の柱は堂内にある。
あ、柱の名前を訊いておけばよかった。
油獣はクジャク。
拝堂に入って右側の神様。
名前はマハペーニェ。
今回はなるべく名前を訊くようにしたのだが、なにせ耳で聞いているだけなので、どこまで合っているかはわからない。
拝堂に入って左側の神様。
名前はフラミーベ。
いまはまだどれも油ぎった神様にしか見えない。でもきっとミャンマーのヒンドゥ寺院の神様は有限だろうから、いつかスラスラと名前を言えるときがくるのかもしれない。
聖室の中、つまり本尊の神様。
名前はシュラメアポゥ。
拝堂の左壁面の神様。
名前はシュラニーベ。
聖室の壁面の神様。
名前はラシュエ。
欄間にある青い神様もラシュエだとのこと。
屋根にある、ランプみたいな石臼みたいな油ぎったものはリンガといって、シヴァ神に捧げる祭具だ。
もしかして、ラシュエはシヴァ神のことかも。
聖室の背面にはドレン(排水口)みたいなものがある。やっぱり油っぽい。
聖室の裏面の神様。
名前は、ツェラミニマーダ。
壁面などに同じ神様がいたり、この神様とこの神様は夫婦みたいなことを言われたので、あらためてまとめようとするとちょっと混乱気味。なにせミャンマー語(?)だったのでいろいろと違っているかもしれない。
建物の外を見ていこう。
もう寺男は付いてこず、ひとりで勝手に見てまわる。
これは仏陀堂。
拝堂の右奥にお堂。
拝堂を裏側から見たところ。
拝堂の後ろには
こういう地味な建物は見落とさないようにしたいものだ。
食堂の内部。
日常的に修行僧などが食事をする感じではなく、祭礼のときに使用するのではないか。
拝堂の左前に建つ祠。
祠の中の神様。
拝堂の左横の祠。
中にはシヴァ神のポスターが貼られて、手前にはリンガが置かれている。
石臼みたいな溝のあるボウルが「ヨニ」で女陰を表わし、中央に突き出ている円柱状の部分が「リンガ」で男根を表わしているという。
このお寺では、神様の写真をたくさん撮ったのでページの最大写真数に収まり切らなかったが、寺男に名前を訊けなかった神様は割愛した。
いつかもう一度訪れて、根気よく話を聞いたほうがよいかもしれない。
(2019年03月17日訪問)
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