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さて、いよいよきょうの本当の目的地、洞窟寺院の候補地へ向かう。
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途中は潅木の森で、道は未舗装で荒れぎみ。雨季には徒歩でしか行けなくなる道だろう。
オートバイ二人乗りの修行僧が私を追い越して走っていく。この先に寺があることは確定。
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潅木の森を出ると、荒れた砂地のようになるが、道に沿ってパゴダがぽつぽつと現われる。
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正面には大きな山脈の巨大な壁が立ちふさがるようにそそり立っている。
ふと横を見ると、山の中腹にもパゴダがある。私がパアンっ子だったら、きっといつか登ると誓うようなロケーション。
カレン州の寺巡りはこんな雄大な景色の中を行くのだ。
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少し進むと粗末な僧房があり、その先には洞窟が見えてきた。
うん! やっぱりね、あると思ってた。
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洞窟は崖の下の窪みにあって、そこまでは短い階段がある。
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岩陰にはパゴダが建てられ、お坊さんが常駐する瞑想所のような場所が作られていた。
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「こんにちわ~、洞窟を見に来ました」
「よくきたね、この男に案内させよう」
寺男が私を案内することになった。お坊さんはどこかとしきりに電話をしようとしているのだが、回線状態がよくないみたいで、何度もかけ直していて忙しそう。
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こっちだよ。
洞窟はお坊さんがいる場所から少し下がった場所に開口していた。
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「このハシゴ、登りな!」
うわっ、狭っ!
服やバックパックが砂だらけになりそう・・・
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でも中はホールになっていてけっこう広い。
大きな石筍やフローストーンもあり、二次生成物はそれなりに豊富。
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まだ内部には仏像などが設置されておらず、ほとんどが自然の鍾乳洞のままだった。
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狭い通路を抜けて、
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リムストーンを見て、
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石筍も見て、
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一巡りして出口に戻ってきた。
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大きな開口部もあるが、現在はここからは出入りはできない。
いつかこの洞窟内に仏像が設置されるようなときには、ここがメインの出入口になるのだろうな。
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外に出てみると、もうひとつ入れそうな穴がある。瞑想所か!
斜面をよじ登ろうとしたら、お坊さんが来て、
「そこは入らんでよろしい! もっといいところがあるからついてきなさい」
みたいなことを言ってきた。
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とりあえず、お坊さんのあとをついて、崖を右のほうへ巻いていく。
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崖の植物の気根のカーテンをくぐると、崖の下に洞窟があった。
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どうやら入れるらしい。
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お坊さんが先になって進んでいく。
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こういうところ、ミャンマーのお坊さんっておもしろいよね。
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「おいで~」
率先して洞窟に入って行く。
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洞窟はまったく開発されておらず、粘土のようなものが溜まっていた。
だが、調査したところ総延長は2マイル(3.2km)以上あるという。
これはパアン方面でケービングに最適な洞窟ではないかと思う。
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戻り道もお坊さんはずっとケータイをいじっていた。
でも、お坊さんが教えてくれなければこの鍾乳洞を知ることはなかったので、わずかだが5,000チャット寄進した。
洞窟がある山の名前は「コーピャ山」だとわかった。
いったいパアンっ子たちのどれだけがこの洞窟寺のことを知っているのだろうか。
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(2019年03月07日訪問)