エイペティ山僧院

小さな山の小さな僧院に洞窟があった。

(ミャンマーモン州チャイマロウ)

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12kmの回り道をしたあと、再びあの一本道に戻ってきた。

しばらく進むと道の左手に小さな山が見えてくる。この山は、衛星写真で寺のようなものが確認でき、その寺の位置からたぶん鍾乳洞があるだろうという予測をしている山だ。

どんなふうに見えるかは、このページの右上の地図をクリックしてみてほしい。

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寺の入口に来ると、アショカ王石柱レプリカと托鉢行列仏が参道に並んでいる。

あなたがミャンマーで托鉢行列仏を見たら、とりあえずその列たどるべきだ。必ずその先に何か楽しいことが待っているから。

参道を進むと今度はゾウとトラの像がお出迎え。これは観光で入ってOKな寺の合図だ。

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境内に入ると、オートバイのエンジン音に気付いたお坊さんが寄ってきた。

オートバイから降りるなり「こっちに来なさい」と誘導される。

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「こっち、こっち」

ん? 本堂の仏さまにお参りもせず、どこ行くんだろう。

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山の斜面にはシンティワリ堂などがある。

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どんどん山に登って行くぞ。

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これ孫悟空だよね?

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あ、洞窟あるじゃん。

それにしても、寺を訪れてから洞窟へ誘導されるまでの流れが早過ぎるよ。ほんと間髪入れずに洞窟へ連れて行かれた。

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「どうだ、ウチの寺の鍾乳洞すごいだろ? 上に美し鍾乳石もあるよ、さ、写真撮りなさい!」

みたいなことを言ってる、あきらかに。

なんだか檀家のおじさんみたいな人まで付いてきた。

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確かに鍾乳石はあるけれど、すごく立派な鍾乳洞かというとそんなことはなく、どちらかといえば鍾乳石も控えめで小さな鍾乳洞だ。奥行きも30mくらいしかない。

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「こっちに支洞があるから付いてきな」

左側の支洞に檀家のおじさんが案内してくれる。

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バックパックを置かないと入れないような狭い支洞。基本、荷物を手放したくないのだけど、お坊さんたちがいるから大丈夫か。

支洞は10mくらいで狭くなり、その先はほふく前進になりそうなのでやめておいた。風の流れもないし、それほど深い支洞ではないと思う。

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「次はこっちの支洞に入りな」

右側のほうにも支洞があった。

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こちらの支洞は立ったまま入れて、中には仏像が並んでいる。

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その前には休憩所のような、瞑想所のような場所が造られていた。

暑いときに少しだけ涼める場所なのかもしれない。

この支洞からは別の開口部へ繋がっている。

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天井にも穴があり、仏陀が祀られていた。

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著名なナッ行者のボーミンガウンの像。

洞窟の中でボーミンガウン見たのは初めてかも。

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そのほかLED光背の仏陀などがあった。

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出口に戻ってきた。右側にみえる小さな窓が右の支洞から見えた明りだな。

小さな鍾乳洞だったが、まずまず面白かった。

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それにしてもここまで鍾乳洞をプッシュしてくる寺はこれまでなかった。

もしかしたら近くにあるジャスミン洞窟寺ばかりに参拝客を取られて、あまりこっちの寺に人が来ないので、鍾乳洞をもっとアピールしたかったのかもしれない。

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山を下りて僧院の本堂のほうへ行ってみる。

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お坊さんが

「おまえ、何でこっち来るの、こっちには何もないよ?」

みたいなことを言ってる。

いや、せっかく来たのだし、本尊にもお参りしてきたいんですけど?

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一応本尊にもミャンマー式の跪拝をしておいた。

また両手を突いた印相だ。

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入口のほうへ行ってみる。

このお寺で最も目立つ、アーナンダ寺院レプリカの白い浮御堂。

たぶん得度堂ではないかと思う。

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入口には金と銀のワニ。

さっき洞窟に付いてきた檀家のおじさんが、

「この金色のワニを寄進したのはオレ、ここにオレの名前が書いてある、写真撮れ」

みたいなことを言ってた。

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得度堂の中。

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境内にはほかにシンウーパゴの浮御堂もあった。

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寺を少し離れてから振り返ってみた。

この方向からのほうが寺の全容がよく見渡せる。

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よく見ると山の上にもパゴダがあるけど、たぶん登る道はないと思う。

(2019年03月01日訪問)

ジャングルの光

単行本 – 2005/9/1
大西 信吾 (著), 深見 春夫 (イラスト)

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