チャイマロウ町の中心となる大寺院、チャイマロウ寺院。山門にはスーォンビィ寺院と書いてあるようだ。
明確な観光向きの寺院で、近郷近在から多くの観光客が訪れている。モーラミャインからの遠足やデートなどに、近過ぎず遠過ぎずほどよい場所にあるお寺だ。
山門は2間2戸。ミャンマーでは時々見かけるが、日本では偶数の間数の建物は少なく、偶数間数の山門は国内に数えるほどしかない。
境内に入ると広い駐車場になっている。水祭りや安居祭など特別な祭日以外であれば充分すぎる広さだ。
境内で目立つのはこの大きな仏殿。層状の屋根の納め方は、私が思っている切上げ屋根のモン様式とは違っていて、こういう風に相似形に層状になるのがミャンマーの仏教建築の屋根の特徴だと思っている。
仏殿の前には巨大な銅鑼が飾られていて、現地の若い子たちが記念撮影していた。
駐車場の中央には時計塔や噴水がある。
巨大な講堂。
3階建てのホテルみたいな僧房?
これは来賓用の宿泊棟かもしれない。
では仏殿の中に入ってみよう。
内部は
でもまずこの外周の装飾がすごい。まさに「ザ・ミャンマー」という感じの金色具合。随所にLED照明が点滅していて、じっと見つめていると眩暈がしてきそう。
内層へ入っていく。
入口にはお寺を守る土地神さまみたいなのがいる。
さらに内層へ。本尊は東面している。寺の境内は北西側が入口なので、仏殿も裏側から回り込む感じになる。仏教を守る天部の神さまのゲートをくぐると、いよいよ本尊とご対面。
本尊は巨大な仏陀の座像。この大きさはミャンマー基準でも大仏と言ってしまっていいだろう。柱のモザイクミラーもすごいし、光背にいろいろな神さまが彫刻されたきらびやかな大仏だ。
印相は両手を腰の横に突いた形。これは以前にも見たことがある。
仏殿の天井はモン様式の折り上げ格天井。
大仏の廻りは雛壇になっていて、過去二十八仏が並ぶ。
仏殿内には仏陀以外の神像がいくつも並んでいて、とても紹介しきれない。
これはそのひとつ。タイネンシンという女神だと思う。宝の国を守護する神で、日本でいえば七福神的な縁起のよい神さま。
仏殿を出て他の伽藍を見ていこう。
仏殿の東側にはシンウーパゴを祭る浮御堂。この手の浮御堂としてはかなり大きいほうだ。
内部の像はめずらしい左向き。
この池はシンウーパゴ堂として造られたのではなく、元は階段井戸だったのではないかと思う。
装飾のための池にしては深すぎる。
浮御堂の南側のほうに多種多様なパゴダが並んでいるエリアがある。これはその中で中心となるパゴダ。
金色の鏡みたいなアクリル(?)パネルがタイル状に貼り付けられている。ペンキよりも反射率が高いので、一部の立派なパゴダで最近採用され始めている新素材なのだが、見慣れないせいか「ちょっと違うな」と思ってしまう。
このパゴダのパゴダ拝殿は2階建ての展望デッキみたいになっていて、この上に登って拝むようになっている。
地球儀型パゴダ。けっこう見かける。
実際の地球儀の地図が貼り付けられていたようだが、ほとんど剥げてしまっている。
たくさんのナーガをあしらった、豪華で奇妙なパゴダ。
パゴダの非常に古い形、2~3世紀ごろの様式を現代風にアレンジしたパゴダ。
チャイティーヨーレプリカ。
いったい、ミャンマーにはチャイティーヨーレプリカがどれくらいあるのだろう。
実はこのエリアにはほとんど観光客が来ていない。
こうしてパゴダひとつひとつ、お堂のひとつひとつを確認しているのは私ひとりだ。
こんな感じの境内の外周にある飾り気のないお堂もちゃんと確認しないと! ゲーム系賽銭箱などが置かれていることがあるし、そうでなくてもまじめに寝釈迦などが祀られているからだ。
お堂のひとつにはカゴ大仏が祀られていた。
これだけでもちょっとした見ものだ。
せっかく各地にあるパゴダのレプリカや、変化球的な仏像などを並べて飽きないようにしているのに、見ないのはもったいない。
もうひとつのお堂は、たぶんナッ神紹介所。
仏殿の裏側のほうは、僧院的な場所になっていて回廊が巡らされている。
これはたぶん得度堂。
お坊さんの住居と思われる建物があり、ミャンマー人が次々に吸い込まれている。
私も入ってよう。
中にはお坊さんが座っていて、ミャンマー人たちがひざまずいて挨拶をしていたのだった。
室内にはお坊さんの業績を説明する写真がたくさん展示されている。
寺宝の展示場みたいなコーナーもあった。
チャイマロウ寺院は非常に豪華な寺なので、モーラミャインあたりから観光で出かけるのにはオススメだ。
(2019年03月01日訪問)
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