ガウンセー島

小島がまるごと寺になっている。

(ミャンマーモン州モーラミャイン)

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観光でモーラミャインを訪れたときに、比較的簡単に行ける定番スポットといえばここ。サルウィン川の中島にある寺、サンホーシン寺院、通称ガウンセー島である。

これまで何度もモーラミャインを訪れていながらまだ行ったことがなかったので、この機会に参詣することにした。

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島までは渡し舟で行く。

船着き場はサルウィン・モーラミャイン橋の橋脚のすぐ東側(矢印の位置)にある。島までの渡し賃は往復400円。往路で往復分の料金を前払いする。サルウィン川の通常の生活の渡船なら片道50円程度なので割高だが、少人数でもすぐ舟を出してくれるので時間が無駄にならずむしろありがたい。

このときは引き潮の時間帯だったのか、サルウィン川の流れがけっこう速く、舟は波をけ立てて走っていた。

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島側の船着き場。このコンクリの上で履物を脱いで島に上陸しなければならない。ミャンマーでは寺院の境内は基本的に裸足にならなければならないのだが、ここは島全体が境内なのだ。

船着き場には待合所もあり、帰路は渡し舟が来るまでここで待っていれば良い。

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上陸してすぐのところに案内板がある。

水色のものはすべて建物。パゴダもかなりの数がある。当サイトでは記事1エントリに最大30枚の写真を載せるが、ガウンセー島の全伽藍を紹介するには30枚では足らない。主要なパゴダだけを、時計回りに可能なかぎり紹介しようと思う。

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島に入って最初にあるのが、この観音菩薩廟。

「観音菩薩」は大乗仏教の概念であり、ミャンマーは上座部仏教なのでミスマッチだが、華僑が寄進したのだろう。

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島の通路は石版で舗装され、清掃されているので、裸足で歩いてもかかとが痛いようなことはない。

島の植物もよく手入れされていて、寺全体が美しい庭園のようだ。ところどころにベンチもあり、寺に興味がない人が公園を散歩するように歩き回るだけでも気持ちいいだろう。

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地球型パゴダ。仏陀の慈悲が地球全体に行き渡ることを表現しているのであろう。

日本人からするとユーモラスにしか見えないが、ミャンマーではよく見かける。今回の滞在でもタイヤチョータン僧院で見たな。

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ネパール、カトマンズにある目玉寺をモチーフとしたパゴダ。

目玉寺はまんじゅう型だが、このパゴダには角がある。蝿よけのフードカバーみたいな形とでも言えばいいか。

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オレンジ色の小奇麗な小屋は、想像だが、瞑想所ではないかと思う。寺の修行僧が使うには豪華すぎるので、在家の信徒が利用するためのレンタルハウスではないか。

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パゴダを載せた四角いお堂。

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内部には6人の僧の像があった。開山堂的なものか。

右端に眼鏡仏。

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やけに薄くて細長いお堂がある。

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中には合掌する信徒の像。

信徒の像、だよね?

どう見ても仏陀や僧や天部の神ではない。

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当サイトで「傘蓋仏(さんがいぶつ)」と呼んでいる様式の仏陀。

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1/4周くらい歩いた。

モーラミャイン市街側の岸辺には、灯台のようなパゴダがあった。

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デコレーションケーキ型パゴダ。

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島の中心にあり、最も大きなパゴダ。外見はオーソドックス。

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仏足石。

後ろにはあまり見かけないタイプの行列仏が見える。仏陀の前にオシドリがかしずいている。

仏像は4体目までで、5体目から後ろはマット画だ。

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釣り鐘のような形のパゴダ。

世界文化遺産に指定されたピューのボーボージーパゴダがこんな形。

奥のほうに見える、節がたくさんあるパゴダはスリランカ様式を模したものだろう。

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大きな穴のあいたパゴダ。

四面仏ではなく穴は十字に貫通している。そのためアーチの四つ脚のような印象を与える。

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3/4周くらいしたあたり。

小さなパゴダがたくさん並んでいる。

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その一角にあった小屋。

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扉を開けると、人が1人ギリギリ入れる空間が。瞑想をするためのお堂なのだろう。

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島の北半分は僧院の建物が建ち並んでいる。

これは食堂かな。

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島の北側に船着き場のような場所があった。ここからは対岸のマルタバン地区の寺々がよく見える。

マルタバンの全寺院を回るとけっこう時間がかかりそうだし、単調なパゴダが多そうなので「作業」になりがちだが、いつか行ってみたいと思っている。

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四角い、よくわからないパゴダ。

たくさんの同じ形のパゴダを建てるのではなく、変化を持たせて飽きさせないようにしたところはとても評価できる。まるでパゴダの見本市だ。

ミャンマーのパゴダの様式の自由度の高さはすごい。

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僧房。

修行僧もそれなりにいる。観光だけではなく修行もできる寺なのである。

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一通り廻って、船着き場に戻ってきた。

島内の所要時間は丁寧に巡って1時間。舟の待ち時間と乗船時間を含めて、2時間あればゆっくり観光できると思う。

(2016年12月31日訪問)