タトン・パアン街道の茶店

街道に点々とあるジューススタンド。

(ミャンマーカレン州パアン)

ナウドンビンパゴダからさらに奥に分け入ると、チャーインポロームー僧院という寺があるようだった。その僧院は小さな丘陵を占めていて、森の中には僧房、尾根は点々とパゴダがあるのが見えたのだが、寺が見える場所までで引き返した。

本サイトの趣旨からすれば本来は行くべき寺だった。観光寺院でなくても行けば必ず何かの発見があるからだ。だがきょうは晴天で暑く、ここまでですでに体力を消耗している。寺より水分補給を優先したい状況だ。

実はきょうはここまでに2回も茶店で休んでいる。まず舟をチャーターしてタミンソー島へ渡ったあと近くのミャインカレイ村の茶店でサトウキビジュース、次はおっぱいパゴダを見たあとコーイン村内の雑貨屋でスナック菓子で昼食として偽コーラ。そしていま、ナウドンビンパゴダから国道に戻ったところで3回目の休憩をとることにした。

せっかくなので、休憩した国道沿いの茶店を紹介しよう。

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ここはミャインカレイ村。

タミンソー島を出て最初にある集落だ。

この時点ですでに休憩を入れなければならないほどの暑さなのだ。

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サトウキビジュースがありそうな茶店があったので入ることにした。

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目印はサトウキビの茎の在庫と、搾り器があること。そして全体的な店の清潔感とか、客の入りなどを見て判断した。

搾り器はバンダーという樹の下にあった。バンダーは傘のように枝が真横に広がる樹で、日陰を作るためによく店先などに植えられている。

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おじさんがエンジン付きの搾り器で、ひっきりなしにサトウキビを絞り続けている。

ところが、この店は客が入りすぎているためか、サトウキビを絞った汁を備蓄していて、客には備蓄分から提供していた。

ちょっと色がよくない。

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でも味は特に問題なかった。

サトウキビジュースは、サトウキビの搾り汁100%に、ぶっかき氷を入れた飲み物。店によってはライムを搾ってくれることもある。

有り体に言えばただの砂糖水なのだが、ちょっと青臭くて味は複雑。ミネラル分も豊富で暑い日には飲まずにはいられない。値段は40円。

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こちらは2軒目の店。コーイン村への入口の門のすぐ横にある。

ここも街道を行き交う人々のちょっとした休憩場所になっているようで、客はひっきりなし。

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日本にもむかしは街道沿いに小さなドライブインや茶店があったが、いまはやる気の感じられない道の駅や無個性なコンビニに置き換わってしまった。

この店はジューススタンドとガソリンスタンドを兼ねている。中央奥に見えるペットボトルに入った黄色い液体がレギュラーガソリンである。1ボトル80円。こういう小さな店でもガソリンが手に入るのでカレン州ではガス欠の心配はない。

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この店は若夫婦が2人で搾り器を操っていた。動力がついていないので1人がハンドルを回し、1人がサトウキビを差し込むのだ。

サトウキビの茎を折りたたみながら、何度もローラーに通していく。

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サトウキビの茎はわずかな水分しか含んでいないが、繰り返し搾ることでそのエキスが(とい)を流れて、バケツに溜まる。

このへんの衛生度をOKとみるか、NGと見るかだが、私的にはOK。ローラーや樋が清潔にしてあるからだ。

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ローラーを近くで見たところ。

左半分が圧縮用で、右のギザギザのところは何かを千切りにするみたいだ。ジュースは主に左半分で搾る。

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搾りたてなので色合いもよく、まさにフレッシュ。

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繁盛店なので搾りかすも山になっている。

これが半日分なのだろう。

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店の前はAH1号線。タイとミャンマーの物流を担う最重要道路だ。

屋根にうずたかく荷物を載せている車が目立つ。タイ国境で商品を仕入れてこれからヤンゴン方面へ向かう商人なのだろう。

そんな活気ある往来をぼんやりと眺めながら冷たいサトウキビジュースを飲む。染みわたるなあ・・・。

(2015年12月07日訪問)