マハトゥワナ僧院

モン様式の多層切上屋根の僧院。

(ミャンマーカレン州パアン)

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AH1号線をタトン方向に向かって走る。

きょうの目的は、カレン州パアンとモン州タトンの間にある寺々を探査することなのだが、もうひとつサブテーマがある。

それは、新興宗教レーケーのお寺と疑われる場所をチェックすることである。レーケーはズェガビン山麓に本山があり、そこで話を聞いたときに末寺が4ヶ寺あるということだった。その末寺を見つけ出したいと思っているのだ。

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レーケーのシンボルは白くてピラミッドのような形をしたパゴダだ。それは航空写真では白い正方形として見えるはずだ。きょうの行程には、航空写真で白い四角形が見える場所が2ヶ所含まれている。

これから向かうのはその候補のひとつ。

国道から寺のある村へ入る枝道に大きな山門があった。

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「コーイン村」と英語で書いてある。

その上にある緑色の文字はモン語。ミャンマー語と違うと言われても、文字の配列に特徴がある程度で、字体に違いがあるのかよくわからない。もっとも、モン文字が元になってミャンマー語の文字が作られたのだから、似ているのは当り前か。

左のほうの「人辛Y见影」のように見える文字はミャインジーグー文字。カレン語を表記する文字だ。

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村へと続くまっすぐな道。

コーイン村へ通じる道は別の細道があるので、これはコーイン新道といったところ。

舗装はされていないが、路盤がしっかりしていて中型トラックでも走れそう。こうした道が増えれば、農村から作物を出荷しやすくなり、農村の人々の生活の向上にもつながるだろう。

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目的のお寺は周囲を森に囲まれていて、道を走っているだけでは見つけられない。だが今回の旅では地図アプリのキャッシュ機能(のバグ)を使って、航空写真を確認しながら移動できるので、かなりわかりにくい目標にもたどり着けるのだ。

森の中を進むと山門があった。「マハトゥワナウィハラ僧院」とある。

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さて、これがGoogleMapsによるお寺の航空写真。

白いピラミッド形のものがあり、三方向に回廊が延びているのが確認できる。

このピラミッド形の物体が、レーケー祭壇型パゴダなのではないかとにらみ、確認に来たわけである。

さて、実際に見たピラミッド形の建物は・・・

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・・・えっ? これ?

 何度見直してみてもこの僧房である。それはパゴダですらなく、銀色に塗られた寄棟造の屋根なのだった・・・。

モン様式の屋根だな。今後こういう屋根を「多層切上(きりあげ)屋根」と呼ぼうかと思う。小壁にある、額縁みたいな装飾もモン様式の特徴のひとつ。

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北西側に伸びている回廊。

その先にはこの寺で一番大きな建物がある。たぶん講堂であろう。

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南側に伸びている回廊。

その先の建物は、座禅堂ではないかと思う。ミャンマー的に言えば「瞑想堂」か。

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東に延びている回廊。

その先には仏殿がある。

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回廊の中の様子。

あえて表現するなら、扠首(さす)構造、角トタン葺き、化粧屋根裏天井(?)という、プリミティブな造りの回廊だ。

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仏殿の中の様子。

意外に質素。

もしかすると、仏殿ではなく得度堂かもしれない。

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ヤシの木に索道が掛かっていた。遊具とも思えないが、実用性があるのか疑わしいところもある。

一般的に索道には荷重を支える「主索」とゴンドラを引き動かすための「曳索」の2本のケーブルがあるのだが、これには主索しかない。このように荷おろしにしか使えない索道では、ゴンドラは軽量で、荷積みの場所まで持って運ぶことになるのだが、それも出来そうにない。

これが何なのかは結局わからずじまいである。

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境内にあったパゴダ。

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お坊さんの住居ではないか。

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これが、白いピラミッド状の物体と見誤った僧房。

くやしいので少し中を覗いてみよう。

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建物は全体的に高床式になっている。

一階には部屋はなく、二階へと登るための玄関のようなものがあるだけ。

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これがその玄関。

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二階に登ってみると、そこはすごく暗い空間で、たぶん修行僧たちの寝所なのではないかと思う。

以前、ヤンゴンのチャウタッジー寝釈迦で見た僧房と、外観も内部もよく似ている。

まだ確信はないが、このように最初に階段があって二階に登る僧房もモン様式なのではないかと思っている。

(2015年12月07日訪問)

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