パアン滞在最後の日曜日。
きょうは夜行バスでパアンを離れなければならない。宿を立つための荷物の整理も終わり、一日することもないので寺巡りに行くことにした。向かうエリアはサルウィン・パアン橋の西詰め、一昨日でかけたエリアの続きだ。一昨日は遅い時間からスタートしたため、このエリアで見ておこうと思った寺がわずかに残ってしまっているのである。
それと、もし時間が余れば行ってみようかと思っている町がある。サルウィン・パアン橋から15kmほど下流にある河港町、トンエィン。モーラミャインとパアンの間にある河港町としては最大の町で、以前に職場の関係で夜祭りを見に行ったことがある。活気がありそうなところなのでもう一度行ってみたいと思っていたし、可能ならばそのままサルウィン川の左岸(東岸)の道をザタピン町まで走ってみようと思っているのだ。
最初に訪れたのは、サルウィン・パアン橋の西詰めからAH1号線を北上したところにある小さな山。
ここにお寺があるかどうかは、GoogleMapsの航空写真からはわからない。でも立地的にお寺がありそうだとにらみ、来てみたのである。
すると山のふもとに極彩色の山門があった。
ヒンドゥ教のお寺のようだ。
山門の装飾を見てみよう。
中央に最も目立っているのはビシュヌ神かな。
左側、ガネーシャかな。
日本でいう歓喜天。
右側、ムルガンかな。
このあたりは自信なし。
このへんはもうわからない。
ヒンドゥの仏像の陰影はグラデーションで強調されていて、透き通るようなミャンマー仏の白さとはまた違った風情がある。
こういうの見ているとなごむ。割りと好きかも。
ライオンもミャンマー風の狛犬みたいな造形と違って、妙に愛嬌がある。
境内に入ってみると、小さな僧房と奥に洞窟が見える。
ちょっとしたお寺にも洞窟。パアン近辺の寺参りはこれだからやめられない。
手前のタタキのところで履物を脱いでいくことにした。
右側には3つの小祠。
ひとつめ。
わからない。シヴァかもしれないけれど。
ふたつめ。
わからない。ヒゲのおっさん。
こうした神を、すぱっと教えてくれるヒンドゥ教信徒の知りあいが欲しい。たぶんミャンマーにおけるヒンドゥ教は、ひとつの町に1ヶ寺くらいしかないので、神さまのバリエーションもそれほど多くはないような気がするのだ。
みっつめ。
三又の槍。トリシューラと呼ばれるシヴァ神のシンボルとされるものであろう。
境内にはほかにもトリシューラと思われるものを見かけた。
尖端に木の実が刺さっている。こどものいたずらなどではなかろう。
さていよいよ洞窟に入ってみる。
その手前の床には、また例の線画が。
これまで、エインドゥの祠、ラインカァの祠、マイカンユゥの修行窟で見かけたデザインと似ている。ナッ信仰に由来するものだと思っていたが、ヒンドゥに関連するものだったのか。
奥にある華麗な祭壇。これが聖室に相当するのだろう。
なんかいい匂いがする。外国に来た、って感じがする。
祀られているのはビシュヌ神だろうと思う。
聖室の裏側にさらに奥があった。
地面にはまたあの線画。
聖室の横から洞窟の入口を見たところ。
深さは10mくらいだろうか。
洞窟を出て境内を回ってみる。
これは信徒休憩所だろう。
何かをすりつぶすための器具か。
境内にはほかにも小さな洞窟があったが、活用はされていないようだった。
境内にいたおばちゃんたちにお寺の名前を訊ねたら「ポーショー寺」とのこと。この小山の名前がポーショー山らしい。
そして、お参りにきた記念にと眉間にティラカという赤い顔料を塗られた。
(2015年05月03日訪問)