モーラミャイン市へと到着。私が滞在しているパアン市からは約70kmほどになる。途中、いくつかのお寺と茶店に立ち寄ったとはいえ、ほとんど炎天下の中を走りづめで、街に到着したときは暑さと日射で軽く気が遠くなっていた。
きょうの目標は、モーラミャインの寺町の寺をひとつでも多く見ること。
モーラミャインの市街地には南北5kmにわたって、細長い丘陵があり、その尾根部分に寺町があるのだ。以前にジンチャイッ滝に遠足に行ったときいくつかの寺に立ち寄ったが、団体行動だったためいまひとつツメが甘く、今回の再チャレンジとなったのである。
パアン方向からモーラミャインへ訪れると、町へは南側から進入することになる。
丘陵の尾根道を登っていくと、両側には僧院やお寺の学校、塔頭っぽい小さな寺がポツポツとある。さすがにそれらを全部見るわけにはいかないので素通りした。
そして最初にあった参詣用の寺が、ここタニモパゴダである。正式名称はレイチョータニモパゴダ。寺町で最も南にあるパゴダだ。
車道からは緩やかな石段があるが、あまりの暑さでこのわずかな段数を登る体力がないという状態である。それでも、一歩一歩登ってなんとか境内へと入った。
最初に目に付いたのは、基部が緑色に塗られたパゴダ。
そういえば、これまでパゴダにはどんな色があったかな。金、銀、白があるのは間違いなく、あとは無塗装のコンクリやレンガ色。それ以外の色があったろうか。
しかも緑って、初めてではないか。
緑のパゴダの横には鐘撞き。
右手前にある円盤は、撞木で地面を叩くための台だと思われる。
それにしても、炎天下でタイルが焼けており、ほとんど歩ける場所がない。
パゴダと対になるタコンタイ。
てっぺんには神さまみたいなのがいる。
その奥にはナッの聖人紹介所。
内部には、白の「ポーポーアゥン」と、ボーミンガウンのおっさんがいた。
緑のパゴダの先にはコブラ光背仏。
このへんまで歩いてくるうちに、足の裏が熱さで限界に近くなる。
北側のパゴダのほうへ行くには、タイルよりもさらに温度が高いコンクリのタタキの上を歩かなければならず、申し訳ないがこの先はサンダル履きで移動させてもらった。
途中にあった小さな祠。
あまり見かけない感じの像。
これも聖人紹介所だと思うが。
右側の小さな聖人は妙にノリノリの印相。
菩提樹の下で悟りを開きつつある釈迦。
その手前にも同じような樹下の像がある。
これは女の人のように見える。
釈迦の母、摩耶か?
この寺のメインのパゴダは基壇が赤、上部が金色に塗られている。
おもしろいのは、パゴダの平面が四角なこと。まるでピラミッドである。
四ツ角と四辺には八曜日の守り本尊が祀られている。
パゴダの裏のほうへ回ってみよう。
境内の北側には建物が密集しており、屋根でつながっているため足下が熱くなく歩ける。
崖にせり出した建物のバルコニーでは日陰で休んでいる現地の人々。
ミャンマー人といえども、さすがにこの暑さでは活動できないのだろう。
この建物の中には、シンウーパゴが祀られていた。
顔は右向き。
これまでの傾向では、右向きが多いように思う。
さらに先に進むと石段があり、こちらには日除けの屋根がついていた。
どうやら北側がこの寺のメインの参詣路らしい。
北側の参道の様子。
(2015年04月19日訪問)
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十代田 朗 (監修)
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