山門は四脚門。
「春日のつぼねゆかりの寺」という看板が出ていた。
山門を入ると左側には釈迦堂。
釈迦堂と本堂の間には水盤舎と無縁仏があった。
この当時はあまり無縁仏など気にもしなかったが、もし今この様子を見たら、きっと無縁仏の墓石の様式をチェックするだろうと思う。この写真からは判然とはしないが、正面が彫り込んでくぼんでいることから、夫婦の名前が刻まれている墓石だと思う。家の名前を刻んだ「○○家の墓」という形式はせいぜい百年の歴史しかなく、日本の墓の歴史は長いあいだ個人の墓だったのだ。こうした無縁仏が多い地域は、比較的最近まで個人名の墓を造ってきた地域なのではないかと思われる。
本堂の右側には玄関と庫裏。
庫裏は切妻の大屋根で舟肘木と蟇股をあしらった妻飾りがきれいだ。
庫裏の前にはよくわからない堂。
背後に宝形の堂がついていて、神社の拝殿、本殿のような作りになっていたので、鎮守社ということにしておく。
鎮守社のわきには袴腰鐘楼があった。
(2002年08月26日訪問)
日本の伝統木造建築: その空間と構法
単行本 – 2016/8/8
光井 渉 (著)
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