続いて、熊野三山の新宮に相当する熊野神社へと移動。本宮からの距離は500mほどなのですぐに到着。
参道は現在の車道からY字路で分かれた旧道で、熊野神社はその突き当たりになる。Y字路の入口には看板が立っているのですぐにわかる。
先ほどの熊野本宮社から比べてかなり規模の大きな神社である。参道の途中に石鳥居があり、鳥居を過ぎた左側は元別当寺の敷地だったようだ。
別当寺のなごりの文殊堂。修復工事中であった。
屋根はトタン葺きでぱっとしないが、建物の本体はわりと古そうに見える。江戸初期くらい(ともすると安土桃山あたり)まで行きそうな感じだ。
あくまでも“感じ"だが‥‥
同じく別当寺のなごりの鐘堂。
拝殿。形式は権現造(の、前半分とでも言えばいいか。ようは仙台東照宮などと同じ。)
本殿。
こけら葺き春日造りで、形式は和歌山の熊野本宮の本殿と似ている。
拝殿の左側には宝物殿。
拝殿の前には池があり、石橋がかかっている。
石橋の先には島があり、なにやら神楽殿のような建物が…
この神楽殿の後部は池の上に浮いた釣殿のような風流な作りになっている。
ここで神楽を舞い、観客は池の回りから眺めるという趣向であろうか。
拝殿からわ渡り廊下が伸びていて社務所までつながっている。
社務所の様子。
大きな座敷があった。祭礼の直会も大規模に行えるだろう。
この熊野神社は本家の熊野三山で言えば新宮市の速玉大社に対応するのだが、正直なところ、本家の新宮よりも趣きがあるし、建物も立派なように思う。
(2001年09月24日訪問)
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