龍沢寺

北上川の河岸段丘を背負った寺。本堂の左に位牌堂。

(岩手県一関市中里沢田)

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山地から下って再び北上川沿いへと戻る。手前の道路が旧奥州街道だ。この街道を右の方向へ10kmほど走れば今朝見た霊桃寺がある。

龍沢寺は街道に面し、背後に河岸段丘の杉林を背負った寺で、立地が霊桃寺と似ていて、どうも記憶が混乱しがちだ。

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山門は四脚門。まだ新しい。築十年はたっていないだろう。

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山門付近は駐車場になっていて、その左奥には不動堂がある。

山門と同時期の建築だ。

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境内に入ったところには奪衣婆の石仏。奪衣婆としては大きくて立派なものだ。片肌を脱いで乳房をあらわにしたユーモラスな石像である。

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境内には行灯(あんどん)が飾られていた。

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行灯には川柳が書かれていた。

 世の中は いやだと 飯は三度喰ひ

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こういう行灯を“地口行灯"という。地口(じぐち)とは江戸時代に流行ったダジャレで、これはとても伝統的な行灯の様式なのだ。たまに見かけるが誰にでも作れるモノではないからちゃんと後継者が育っているのか心配だ。

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本堂の前はまわり場になっている。大理石でできた立派なまわり場だ。中央には香炉がある。

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本堂の左には玄関、位牌堂(写真)、水盤舎。

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本堂の右側には庫裏、袴腰鐘楼があった。

(2001年08月13日訪問)

日本の伝統木造建築: その空間と構法

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光井 渉 (著)

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