山地から下って再び北上川沿いへと戻る。手前の道路が旧奥州街道だ。この街道を右の方向へ10kmほど走れば今朝見た霊桃寺がある。
龍沢寺は街道に面し、背後に河岸段丘の杉林を背負った寺で、立地が霊桃寺と似ていて、どうも記憶が混乱しがちだ。
山門は四脚門。まだ新しい。築十年はたっていないだろう。
山門付近は駐車場になっていて、その左奥には不動堂がある。
山門と同時期の建築だ。
境内に入ったところには奪衣婆の石仏。奪衣婆としては大きくて立派なものだ。片肌を脱いで乳房をあらわにしたユーモラスな石像である。
境内には
行灯には川柳が書かれていた。
世の中は いやだと 飯は三度喰ひ
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こういう行灯を“地口行灯"という。
本堂の前はまわり場になっている。大理石でできた立派なまわり場だ。中央には香炉がある。
本堂の左には玄関、位牌堂(写真)、水盤舎。
本堂の右側には庫裏、袴腰鐘楼があった。
(2001年08月13日訪問)
日本の伝統木造建築: その空間と構法
単行本 – 2016/8/8
光井 渉 (著)
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