矢掛町の旧宿場町の東のはずれにある寺、多聞寺。
総社市へ発つ前に、車でもういちど矢掛町を一巡りしようとしていて、パステルカラーの鐘堂に魅かれて思わず立ち寄ってしまった。
山門は四脚門で、街中の寺らしく周囲を塀で囲んでいる。山門の左側に見えるのは観音堂。
これが問題の鐘楼。
伊東忠太様式とでも言えばよいか。それをさらにパステルカラーで彩色しているのでかなりインパクトがある。
山門を入った正面は大玄関で、この建物も大きな千鳥破風に花頭窓という、人目を引くデザイン。
寺では千鳥破風の内部に空間を作ることはなく、当然そこに窓があるはずはないのだ。城郭建築では千鳥破風の中にも部屋を作るので、破風に窓がついているとまるで城のように見える。
庫裏(もしくは書院か)はさらに白壁に囲まれた立派な造り。
本堂。
本堂の前には三十三観音霊場があった。
手前に大きな水盤のようなものがあり水が溜まっている。ひしゃくで観音に水をかける趣向なのだろう。単体の石仏に水をかけるのはよく見るが、三十三観音と組み合わさったもの初めて見た気がする。めずらしいのではないか。
(2001年05月04日訪問)
福岡県の神社 (アクロス福岡文化誌 6)
単行本 – 2012/5/1
アクロス福岡文化誌編纂委員会 (編集)
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