浅川は高尾山に流れを発し、日野市付近で多摩川と合流する大きな支流だ。
その浅川の河岸段丘に善生寺がある。
この善生寺を訪れるのは2度目になるが、ひとつどうしても確かめておきたいことがあって立ち寄ることにした。
さて、今回どうしても確かめたかったのは、善生寺の裏にある大仏(釈迦如来)だ。
この大仏、寺の裏の土地に建っているが、考えてみると、その立地条件がおおくら大仏に似ているのだ。
おおくら大仏を知るまで考えもしなかったことだが、「もしかしたら善生寺の大仏も回転するのではないか」という疑念を持ち、改めて確認に来たのである。
山門は石造の釘貫門。
山門を入った先には本堂。
本堂の右手には庫裏と鐘堂。
また本堂の前には立派な池がある。
善生寺背後の段丘には、都内でも屈指の湧水といえる黒川清流公園がある。この池もおそらく湧き水ではないかと想像する。
なぜか釈迦如来の手だけが置かれている。
ただし、奥に大仏が見えていることから、裏山に登らなくてもここで大仏の手に触れることができるという趣向なのかもしれない。
境内にある大黒天。
日野七福神巡りの一つになっている。
石製の水車小屋のオブジェがあった。
自分も庭のある家に住んだら、庭に水車小屋建てたい!
大仏への道案内。
この雰囲気もおおくら大仏と似ている。
大仏は寺の裏の崖にあるため、ちょっと登らなくてはならない。
時間はもう5時を過ぎていたので、住職が北門を閉め始めていた。断わって、急いで見学させてもらう。
住職によれば、大仏を建立したのは5年前(1996年か?)とのこと。
まさかストレートに「回転しますか?」とも訊けないので、「裏の道路から見ると背中を向けてますよね?」などと質問してみると、「2つの方向には向けられないから南向きにした」との答えが帰ってきた。
やはり回転はしないようだ。
回転しないものの、大仏としては十分な大きさで造形も悪くない。
大仏の下部には、黄金の釈迦如来が。
この黄金の柱もおおくら大仏と似ているんだよなあ。同じ業者が施工したんじゃないか。
大仏を横から見たところ。
おおくら大仏を見てしまった今となっては、もはや回転しないのが不思議とさえ思えるロケーションである。
日野市役所のほうから来ると、こんなふうに見える。一度見たら簡単には忘れないような光景だ。
大仏の基壇となっている建物は展望台にもなっていて、南側の多摩丘陵を見渡すことができる。日の出から日の入りまでは北門(写真の左側)が開いていて自由に大仏に登ることができる。
基壇の後ろには輪宝の形をした時計が付けられていて、道行く人に時を告げている。
その時刻もすでに5時半。そろそろ帰路につくことにしよう。
日野から横浜に帰るにはいろいろな道が考えられる。16号線を走れば夕飯を食べる場所には困らないし、多摩丘陵をうねうねと抜けて南武線沿いに進むのもお気に入りルートだ。
この日は橋本のレストランで夕食を食べることにした。そこは何度か入ったことがある店で、スープカレーが美味しいのだった。
(2001年03月10日訪問)