いったん祖父江町に向かったため、稲沢市に戻ったときには日が傾きかけてしまった。
稲沢市で大国魂神社の次に立ち寄ったのは
郊外の大塚町という小さな集落の中に守られるように寺はあった。
ひなびた感じの本堂と庫裏。
庫裏は切妻、妻入り、煙出し付きという、いかにも庫裏らしい庫裏。
大師堂。こけら葺きで入母屋屋根、唐破風向拝だが、大棟と向拝の下り棟に瓦をおき、しかも大棟にシャチホコを載せているので、ややくどい印象を受ける。
大師堂の裏手にはアジサイの植えられた塚が見える。この塚は寺の創建当時に歓喜天を埋蔵したという伝説があり、地名の大塚町の由来にもなっている。
塚に登って大師堂を裏から見た様子。
大師堂の先には多宝塔が見える。
多宝塔と、その手前にある妻入りの堂は多宝塔の拝殿。まあ、愛染堂ということにしておこう。
多宝塔は室町時代の建築で国重文。下層の屋根の勾配が緩やかであり、亀腹や上層部の平面が小さく、軽やかな印象を受ける。
(2000年03月18日訪問)
復興建築 モダン東京をたどる建物と暮らし (味なたてもの探訪)
単行本(ソフトカバー) – 2020/12/2
栢木まどか (監修)
関東大震災後、現代の東京の骨格をつくった「帝都復興計画」と、未曾有の災害から人々が奮起し、建てられた「復興建築」を通して、近代東京の成り立ち、人々の暮らしをたどります。
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