曼陀羅寺は多くの文化財を有するこの地方きっての名刹。
境内の一部は曼陀羅寺公園という公園になっていて、とくに藤が有名だという。

伽藍配置図。
本堂(正堂)を中心にて8ヶ寺の
ただこの鳥瞰図は写実的なようでいて実はそうではない。主要伽藍である曼茶羅堂、地蔵堂(図中の紫色で指示した場所)が抜けているし、敷地スペースが存在せず詰められている。航空写真などを元にした図ではなく、イラストレーターの想像で描いた鳥瞰なのだ。

山門。
四脚門で檜皮葺き。左右には築地塀を巡らす。

地蔵堂。(旧曼陀羅堂)
やはり檜皮葺きで県文。建立などが正確にわからないが国重文に近い県文である。
地蔵堂の後方ある門は塔頭の常照院。

本堂(国重文)。
この寺では正堂と呼んでいる。お寺の建物というよりは、平安時代の寝殿造りの正殿に近い建物だ。「正堂」という名称も“寝殿造りの御殿"というような意味である。
建立は江戸初期ではあるが、国重文のなかでもかなり国宝に近いほうの国重文であろう。

曼茶羅堂。
本堂の左側にあり、太鼓橋で本堂と接続している。

鐘楼。
他の建築に比べて質素である。なんだか田舎のお祭りの安普請の山車みたいな建物だ。ただし梵鐘は国重文。
左奥の林の中に鎮守社の八幡社がある。

境内の塔頭の一つ。光明院。

同じく塔頭の霊鷲院と慈光院。
こういう開放的な境内で、塔頭が点在する地方の大寺院というのは実は私が一番好きなパターンなのだ。
(2000年03月18日訪問)