宝林寺

国重文の大雄宝殿はみごとだが、境内は拝観料がかかる。

(静岡県浜松市北区細江町中川)

名刹という定義は主観的なものであって人それぞれだろとは思うが、宝林寺は私にとってはあきらかに名刹として意識せざるを得ない寺である。

宝林寺は黄檗宗の寺であり、山門、仏殿、方丈が一直線に並ぶ禅様の伽藍配置をよくとどめている。私はこの手の伽藍配置にはめっぽう弱くて、時間のない旅であったが素通りすることはできず立ち寄ることにした。

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国道362号線はこの寺の前を通っており、国道から石段を登って山門に至る。

境内に入るには入場料が必要。宝林寺の場合、これはあまり良いことではないように感じる。どう考えても、切符売り場に人を貼り付けておけるほどの参拝客は来ているとは思えないし、気軽に参詣できなくなるのでリピーターもいなくなるであろう。入場料は方丈&庭園拝観のみにするか、色刷りのパンフレットのみ有料頒布という方式にして欲しい。

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仏殿(大雄宝殿)は国重文。内部は四半敷きになっている。ただ、外装も内部の須弥壇も質素なものである。国重文にも国宝に近い国重文と都道府県重文に近い国重文があるが、これはその中間くらいに位置する典型的な国重文だろう。

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仏殿の背後には方丈がある。他に、報恩堂、竜文堂、庫裏など堂宇は多い。

方丈の裏手には叩くと金属音がするという「金鳴石」というものがあるという。時間もあまりなかったので拝観はしなかった。

(1999年11月23日訪問)