庚申寺は天竜浜名湖鉄道の宮口駅付近の寺。不動寺から岩水寺に向かう途中、バイパスを走っていると「庚申寺入り口」という看板が目に留まった。バイパスを走っていてもおもしろいものも見られなかろうと思い、わき道のいかにも古そうな道に入ってみた。
浜北市の平野部が終わる山のふもと、古い街道が山に突き当たる小さな集落のその奥まった所にこの寺はある。地図で見ても、宮口の集落がこの寺の門前に発展したということが見て取ることができる。
寺の山門の前100mくらいは舗装が石畳になっていた。その両側には連子格子に
山門はしゃちほこを載せた薬医門。
山門を入ると鐘楼がある。
鐘楼の手前にある小さな小屋はあとで気付いたのだがおそらく秋葉信仰の常夜灯。
正面には本堂。
本堂の左側には玄関が付属している。
鬼子母神堂?か。
ほかに、地蔵堂、鎮守社、袴腰鐘楼、放生池。
明るく広々とした境内で諸堂がよく整っている。庭木にも手入れが行き届いていて清々しい。
鬼子母神堂の軒先につるされた「くくり猿」。「くくり猿」は女性の厄除けや、芸能の上達を祈願して奉納されるものである。今はひっそりとした宮口の集落が、かつて繁栄していた時代の名残なのかもしれない。
放生池の中にはなぜか地蔵尊があった。
(1999年11月23日訪問)
今こそ行きたい日本の古寺200選 (TJMOOK)
ムック – 2024/1/11
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