日本すきま漫遊記 尾張・西美濃戒壇巡り(その1) 妙興寺
妙興寺
マニアならずとも心酔する五山級の禅院。散策に最適。
(愛知県一宮市大和町妙興寺)
名鉄名古屋本線妙興寺駅の南東にある臨済宗の禅寺。一宮市きっての名刹であり、尾張地方でも最大の寺の一つと言っていいだろう。広大な境内は雑木林になっており、林の中に多くの堂塔がひっそりと建ち並んでいる。
左写真は境内の入り口付近の総門。
総門とは機能面から見た言い方。この門は構造的には冠木(かぶき)門の立派になったやつとでも言えばよいだろうか。冠木とは柱の上に載せられた左右の大きな梁(はり)材のことである。鳥居のように奥行きのない2本の柱の上に冠木を載せ、その冠木で屋根の荷重を受ける門を冠木門と言う。(屋根がない場合もある。)
総門を入ると勅使門がある。室町時代の創建当時からのこる唯一の建築で旧国宝で国重文。
勅使門というのは、やはり構造上の名前ではなく機能面から見た名前だ。宮廷からの勅使を迎えるときにのみ開かれる門という意味で普段は閉じられたままになっている。構造的には四脚門ということになろう。
勅使門を過ぎると、左右に放生池、そして三間三戸の重層門がある。重層門とは楼門のうち2階部分にも屋根を持つ構造のものを言う。また、重層門や楼門の規模は間口の大きさで表現する。この門は間口三間で、そのうち三間とも通行が可能になっている。このような規模を三間三戸(さんけんさんこ)と言う。三間の楼門では左右に仁王像が配置され中央の一間だけが通行できるケースが多い。そのような場合は三間一戸ということになる。
重層門を過ぎると、水盤舎と重層の仏殿あある。
屋根を修理中だった。
この付近の重厚な雰囲気は、京都の五山寺院と比べてもまったく見劣りしないであろう。
堂の多くは兵火、火災、美濃大地震などで幾度も灰燼に帰したがその度に再建され旧観を保ってきた。
仏殿の裏には本坊がある。
本坊入り口付近にある鼓楼。
鼓楼とは鐘楼の鐘の代わりに太鼓を置いた建物である。太鼓が風雨で傷まないように2階部分の開放度が低く、撞木(しゅもく=鐘をつくための棒)が見えないのでそれとわかる。
※一宮市のYukoさんによれば、これは鼓楼ではなく鐘楼とのこと。形だけ見ると鼓楼に見えたので、見誤ってしまった‥‥。
本坊以外にも左右の林の中には塔頭がいくつもある。境内はいかにも禅寺らしい静かな雰囲気で散策には最高だ。
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