ホーム尾張・西美濃戒壇巡り(1日目)

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尾張・西美濃戒壇巡り(1日目)

またまた名古屋方面に出陣。旅の1日目はどうしても気になっている“布袋大仏”周辺を細かくチェック!

広域地図

「布袋の大仏さま」の名で親しまれている。一宮市真清田神社の別当寺であった、西神宮寺の本尊が安置され、県の文化財に指定されている。か目星をつけておいた。と、言っても出発の数時間前に慌てて調べただけなのだが。それでもいつもに比べてわりと計画的と言える。

初日のお目当ては愛知県江南市の“布袋大仏"と、愛知県北西部(地図の黄色い部分)の重文建築群だ。特に、布袋大仏は因縁の物件だ。ちょっと長くなるが、この布袋大仏の謎について話しておかないと、初日の午前中の旅の目的がわかりにくくなってしまうので、先に説明しておこう。

まず、人文社「郷土資料事典」から、布袋大仏の項を引用すると次のように書かれている。

大仏殿:江南市内布袋町。名鉄犬山線布袋駅から7分。「布袋の大仏さま」の名で親しまれている。一宮市真清田神社の別当寺であった、西神宮寺の本尊が安置され、県の文化財に指定されている。木造阿弥陀如来座像で、高さ18m、幅10mあり、県下にある座像としては大きい方である。寄木造の漆箔像だが、ほとんど剥落している。

木造寄木造で高さ18m ‥‥? 思わず絶句してしまった。「県下にある座像としては大きい方である」ってさらりと言ってるけど、18mの木造っていったらシャレにならない大きさだ。人文社よ、本当にそんな仏像がこの世に実在するのか?

実は私は“布袋大仏"と呼ばれていものを一度見に行ったことがあるのだが、この文章に書かれているものとほとんど共通点がないのだ。私の知っている“布袋大仏"は、まず大仏殿ではなく露座の大仏である。次に、別当寺ではなく鍼灸院である。さらに、木造ではなく鉄筋コンクリート造、仕上げは漆箔でなくモルタルである。唯一あっているのは高さ18mというところだけだ。ちょっと違うくらいなら資料の説明が間違っているのだろうと気にもならないところだが、あまりにも説明が食い違っている、違いすぎる。もしかして自分が勝手に“布袋大仏"だと思っている物件は実は別のもので、「郷土資料事典」にあるような寺が他にあるのではないか‥‥。 そう思うと、いても立ってもいられなくなって、今回の出陣とあいなった。