下城戸の地蔵堂

大ムクのかたわらに建つ茶堂。

(徳島県吉野川市美郷下城戸)

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徳島の山村を巡るときには、ドライブマップは縮尺が小さい上、地図上の情報も少ないためほとんど役に立たない。そのため主に1/25,000地形図をドライブ時にも見ている。神社仏閣については地形図である程度発見できるのだが、辻堂は地図上にプロットされていない。

つまり、茶堂を見つけるには実走するしかないのだ。

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県道から枝道に入って谷の四つ足堂を見たあと、そのままその枝道を進んでみた。道はどんどん山を登り、急傾斜の集落に入っていく。

その集落の入口付近に茶堂があった。

3間╳3間の波板葺きの質素なお堂だ。

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祭壇は奥の1間にあり、それ以外は完全に吹き放ち。

(つるぎ)山地北面に多く見られる形式だ。

天井からくす玉みたいなものが下がっている。これ、何なのだろう。

灌仏会で使う花御堂(はなみどう)か? あるいは、野道具か・・・。

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厨子に祀られているのは地蔵菩薩。

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お堂の右奥にはオカマゴがあった。

吉野川右岸の緑泥片岩地帯で見られる、石製の竃状の祠である。

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お堂の横には大きなムクノキがある。

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幹周りが4.8m、樹高18m。

美郷村指定天然記念物に指定されている。

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根元には大日如来が祀られていた。いつかこの樹に飲まれてしまうかもしれない。

(2002年11月10日訪問)

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