2011年4月1日。埼玉県児玉町へ来ている。児玉町にある稚蚕飼育所がまだ現役で稼働しているか調べるためだ。飼育所は見つかり、まだ現役のようだったが4月1日ではまだ稼働はしていない。埼玉あたりの春蚕の掃き立ては5月初旬だからだ。
でもとにかく飼育所が現役だということは判明したので、後日、人がいそうなタイミングで再訪することにして、周辺を散策することにした。
飼育所からそう遠くない場所で桑畑を見かけた。面積は15アールくらいある。
樹型がすごく高く仕立てられている。このような仕立ては積雪があったり、寒冷な地域で見られるもので「高刈り」と呼ばれる。
株が長い期間積雪で埋没すると枯死するため高く仕立てたり、あるいは、遅霜が降りやすい地域で新芽が霜害を受けにくくするために高くすると言われている。この畑は霜が降りやすいのか。
株のかなり下のほうで幹をV字型に2本立てにしてある。高刈りの桑畑でときどき見かけるパターンだ。
桑の剪定のパターンはいろいろあるのだが、代表的なのは「春切り」と「夏切り」。この畑は剪定して間もないようなので「春切り」である。3月の彼岸ごろに剪定の作業をするため「彼岸切り」ともいう。
細い枝も丁寧に切り落としてあるので、奥に見える養蚕農家が実際に養蚕に使っているのか、あるいは、児玉の稚蚕飼育所が夏期の飼育に使う畑なのかもしれない。
いずれにしても放置されているのではなく、きちんと管理されている桑畑だ。
外周の2畝は枝が残してある。
この2列は近隣の野菜畑から飛散した農薬が桑にかからないようにするためのバリアなのだ。
(2011年04月01日訪問)
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