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私がかつて横浜に住んでいたころ、群馬県に帰省するのに練馬あたりから武蔵野の細道をよく走ったものだ。その途上、ときがわ町の中に古い橋があるのが気になっていた。
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古い橋のため幅員が狭く、ここだけ四輪車が離合できないので否応なく橋を意識することになる。
調べてみると、この橋は玉川橋といい1921年(大正10年)造られた、埼玉県で初めてのRCアーチ橋ということだった。このあたりは元玉川村で、村の名前を冠したかつては自慢の橋だったのだろう。
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せっかくなので車を停め、じっくりと見ていくことにする。
構造はアーチの上に束柱を建てて橋床を載せている。材料を節約しつつ構造美を見せる中々に優れたデザイン。
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河原に降りてみた。
何度か補修され、躯体にはモルタルを塗ってあるため、とても100年前に作られたようには見えない。
小アーチが連続したデザインの高欄は後補のもので、架橋当初は鉄の手すりだったようだ。
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上流側には歩道が増設されている。
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この橋から上流側は、少し渓谷の風情がある。
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近くには人気の観光渓流、嵐山渓谷があるがここは誰一人訪れることのない、さびしい渓谷だった。
(2017年11月23日訪問)