慈雲閣・八ツ山観音堂

朱塗りの懸崖造り観音堂。

(埼玉県越生町津久根)

ところで、今回ずいぶん久しぶりに黒山三滝を訪れて、不思議に思ったことがある。

以前訪れたときに、越生駅から県道61号線で滝のほうへ向かうと、左手の山の中腹に懸崖造りのお堂が見えたのだ。そのお堂を再訪しようと、往復ともずいぶん注意して車窓から眺めていたのだけれど、なぜか今回は見つけることができなかった。

前回訪れたのは1999年11月23日。その当時私は日本民話の会の分科会のようなサークルで百物語の会という強化合宿の幹事を務めていた。その日は合宿の行程や宿の下見でこの道を通ったのだった。そのときは自然にお堂が目に入ったのに、なぜ今回は見つけられなかったのだろう。樹が生長してお堂を隠してしまったのか・・・。

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正確な位置を覚えていたならば車を降りて山中に分け入ることもできただろうが、なにしろ昔のことで「確かこのへんだったよな~?」という区間は3kmほどにもなる。しかもきょうは時間も押していて、天候もいつ雨が降り出すかわからない状態なので、それ以上探すことはしなかった。

しかたがないので1999年に撮影した写真で紹介しようと思う。

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あらためて地図を見ると、お堂はデイサービス松風という施設(1999年当時はまだなかった)の南、県道から30~40mくらいの場所にあったようだ。

こんな堂があったら、誰でも登りたくなってしまうよね!

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懸崖造りの床下部分をくぐって登るようになっていた。

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由緒書きがあるが文章自体が読みづらく、カメラも当時の性能なのではっきりと判読できない。

観音様は、明治20年にこの近くにすむ某が水垢離中に水中より見つけだしたもので、在来の寺院ではなく、どうやら一種の流行り神だったように取れる。明治24年に観音堂を建てたようだ。ただしそれが現在の懸崖造りのお堂なのかはわからない。

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お堂へは横から入るようになっている。

お堂の前方はかつては開けていた思うが、現在は杉が伸びてきていて展望はいまひとつ。

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三方吹き放ちの建物で、奥側の祭壇部分のみ壁がある、茶堂形式とでもいえばいいだろうか。

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祭壇の様子。

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天井は格天井で、スポンサー名?が書かれていた。

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気になってネットを検索してみると、2012年の時点で建物の老朽化のため立入禁止になっているし、紹介記事が少なすぎる。

さらに気になるのは、現時点でGoogleやAppleの地図サービスの衛星写真を見る限り、建物の屋根らしきものがまったく写っていない。樹が茂ったにしてもこの屋根が空から確認できないなんてことがあるのだろうか?

もしかして取り壊されてしまったのではないか。

(1999年11月23日訪問)

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ムック – 2020/6/24
standards (編集)
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