
東京方面へ車で遊びに行った帰りは、高速道路も使わず下道をダラダラと走ることがほとんどだ。その都度なるべく違う道を通るようにしているのだが、あるとき、夜の遅い時間に武川のあたりを通ったら、道路っぱたに桑が植えられているのを見つけた。
たとえ深夜にヘッドライトで浮かび上がる範囲であっても、埼玉県で桑園があれば目に付く。

桑園を見つけてからしばらくたったある晩秋に男衾方面に遊びに来たついでにその場所へ行ってみた。
いまでもその桑園は残っていた。
今年(2023年)、埼玉県に残る養蚕農家は7戸だという。その7戸がどこにあるのかは一般人の私が知りえる情報ではないけれど、道を走っていて桑園を見つけることはできる。

桑の仕立てを見たところ晩秋蚕での伐採が終わり、来年の春の蚕期に向けてきれいに整えられている。
これは、桑が植えられた耕作放棄地を管理するといった剪定ではなく、桑の葉茶の葉を採る剪定でもない。春蚕の飼育をする気が満々の養蚕農家の剪定なのだ。

雑草もあまり生えておらず、ちゃんと除草をしている。

桑の株はかなり古くなっているが健康的でまだまだ蚕の飼育には使えそう。
仕立て方は中刈り。

写真を撮っていたら犬の散歩をしているご婦人が通りかかり、この桑園は近くの養蚕農家が使っていて、おじいさんが一人で養蚕を続けているという情報をもらった。

先ほどの桑園とは別に、農家の周りにも桑園があり、2ヶ所を合計すると25アールほどの面積の桑がある。4~6万頭くらいの蚕が飼えそうだ。
深谷あたりの蚕の注文方法は、4万頭の倍数と聞いたことがあるので飼育量は4万頭かな。
きょうは別の目的で来ているので、桑園だけ見せてもらったがいずれ機会があれば訪ねてみたい。
(2023年11月05日訪問)