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きょうは川越で普通に遊ぶのだが、そのなかで一番のお目当ては丸広百貨店屋上遊園地。屋上遊園地があと2週間で閉鎖されるというので、最後に行ってみることにしたのだ。
いま地方での買物はイオンモールや大型スーパー、ファストファッションの郊外店、ドラッグストアなどが中心となっているけれど、ある程度いいものを買おうと思ったら、やはり百貨店は必要だ。丸広百貨店は埼玉県民にとって頼れるデパートと言えるだろう。
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丸広百貨店の場所はショッピングの中心、サンロードに面している。
川越の中心街は舟運の時代から電車の時代への移り変わりに応じて、蔵の町並みのある北部から東武川越駅方向へと重心が移動してきた。
丸広百貨店も古くは蔵造りの町並みのほうにあったのが、1964年にサンロード商店街に移転した。現代の川越で最も人通りが多いにぎやかな場所にある。
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私は学生時代に買物のほとんどをこの商店街に依存していたし、アパートは風呂なしだったからこの通りにあった銭湯にもよく通った、とてもなつかしい場所なのだ。
こうしてうん十年経ってこの場所に来てみると胸が締めつけられるようなノスタルジーを感じずにはいられない。
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当時は学生だったので、丸広百貨店で買物をしたという記憶はあまりないが地下のジューススタンドはよく利用していた。
そのころ地下にはお菓子の量り売りのターンテーブルもあった。昭和育ちの人にはなつかしい販売形態だったろう。
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きょうの目的の屋上遊園地へは、直通のエレベータもエスカレータもないので、最上階から階段で屋上へ行かなければならない。
それがまた昭和の懐かしさを感じさせる。
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私は幼少時を前橋市で送った。前橋にはたくさんの百貨店があったが、その中で特に強い印象が残っているのが
やはり屋上遊園地があり、最上階から階段でしか行くことができなかった。もし今もう一度そこに行ったとしたら、狭くて小さなデパートだなと思うかもしれないが、子どものころの私にとっては、夢の国だった。
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屋上への階段には屋上遊園地への寄せ書きがたくさん貼られている。
川越で幼少時代を過ごした人々にとっては生涯忘れられない場所になるのだろう。
これから写す写真は、もう二度と訪れることができない故郷の失われた風景になるのだ。
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遊園地が開業したの昭和43年(1968)。長い歴史を持つ。
中型の観覧車、吊り下げ式の飛行塔、モノレールなどがあったが、平成4年(1992)に大改修が行われ同類の新しい遊具にリプレースされた。
私が川越に住んだのは旧遊具時代である。当時でもレトロなゲーム機やミニボウリング機などがあったのを覚えている。
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チケット売場。
デザインやポップな色使いが、いちいち懐かしい感じ。
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チケットが必要な乗り物は4種類。観覧車、モノレール、飛行塔、ミニトレイン。料金はすべて300円。
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ミニトレインは観覧車を巻くようにレイアウトされているが、点検中で運行していなかった。
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乗り物にはシートが掛けられていて形はわからなかった。
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レールはカーブしているので、1周するにはそれなりの距離になる。
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飛行機は1機づつアームで支えられていて、2人乗りで、前席の搭乗者が操縦桿で上下に自由に動かすことができる。
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モノレール。
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こちらは自動運転。
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2人乗り。
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観覧車も平成4年にリプレースされているのでレトロ感はないけれど、もはやデパートの屋上の観覧車というもの自体が懐かしい存在になりつつある。
最後に乗ったのは東京府中市のダイエーの屋上にあったミニ観覧車だったな。友達が屋上でアルバイトをしていて、1回の料金で2周させてくれたのを覚えている。
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子どもがのり出したり、物を落としたりしないようにか金網が張られていて、それが視界を妨げてちょっと邪魔だ。
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私はどちらかというと観覧車は苦手なほう。ゴンドラがなんらかの不具合で落下するんじゃないかなんていう変な妄想をしてしまうのだ。
本格的な大型観覧車に乗ると、手のひらが汗ばんでくるよ。
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これが丸広百貨店の屋上遊園地の最後の風景。
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こうしてサイトに残しておけば、川越出身の人がいつか懐かしく見るときもあるだろう。
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観覧車から本川越駅方面をみた様子。
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屋上には小型のライドが充実している。
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これはレール玩具を巨大化したイメージの電動自動車。
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飛行機のライド。
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ドラえもんのタイムマシンやバス。
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周回距離の短いミニトレイン。こちらは運転中だった。
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ミニ飛行塔。
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運転できる電動カートもある。
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私が子どものころにも電動カートがあったけれど、スピードが遅すぎてあまり好きじゃなかったな。
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ジャイアントどらえもんというビデオゲーム筐体。
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中はビデオゲームになっていて、2つのボタンでドラえもんを危機から救うみたいな内容だという。
筐体自体も回転する。
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屋上には民部稲荷という神社が祀られている。
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川越八幡の末社のひとつを勧進したものだという。
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デパートの屋上に神社っていうのも昭和だよねえ。
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遊園地は屋上の西半分くらいで、東半分はステージになっている。
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私が川越にいたときには、アイドルのドサ回りみたいなショーをよくやっていて、2回見に来たことがある。ひとりは大沢逸見で、割りと好きだったのでシングルレコードを買って握手してもらった。もう一人はだれだったか記憶がない。
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ステージに上がってみた。
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すべてが懐かしい記憶だ。
それももうすぐ封印されようとしている。
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せっかくなので昼食はデパート内の食堂で食べることにした。
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家族で買物をして、デパート最上階のレストランで食事をするって、これ以上の豊かで幸せな記憶ってあるのかな。
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オムライスを食べた。
昔ながらのオムライスではなく、いまどきのオムライスだった。
このあと商店街を少し歩いたり、喜多院に参詣したりしたのだが写真は撮らなかった。取材ではなくレジャーだったので。
喜多院は学生時代に孤独な夕方などに自転車でふらっと出かけたりした場所だけど、そう言えば写真を撮ったことがない。そのうちもう一度でかけて、川越市の本来紹介すべき観光地の写真を撮ろうかな。
(2019年08月12日訪問)