東玉人形の博物館

人形店東玉が運営している私設博物館。

(埼玉県さいたま市岩槻区本町)

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きょうは朝からさいたま市岩槻に来ている。「岩槻まつかど雛めぐり」というイベントが開催されるからだ。

ひな人形については10年前に裃雛(かみしもびな)と呼ばれる簡素なひな人形があることを知り、興味を持つようになった。以来、ときどき思い出してはひな人形の企画展などに出向いてきた。

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最初に訪れたのは「人形の東玉」というお店が運営している「人形の博物館」。東玉は岩槻の人形店の大手のひとつ。

博物館は岩槻駅前のビルの4階にあり、ちょっと分かりにくい。ビル北西にある通用口から入り、エレベータで4階に上る。

なお、このビル自体には駐車場はないのだが、近くにある東玉の店舗駐車場に入れさせてもらった。

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実は岩槻の知人のツテで、東玉の会長さんを紹介してもらい、お話を聞かせてもらえることになったのだ。生き字引のような方で色々な事情通でもあられたが、裃雛の製造や原料の調達先まではご存知なかった。

江戸末期~大正時代くらいのものだから、そのときどんな取引先があったのかなど、いまではもう分からないし、裃雛自体があまり高級品とはいえないため余計に記録が残っていないのだ。

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もちろん、博物館内には収蔵品があるのでそれを見て帰ることにした。

博物館自体は歴史的な人形など、いい品がたくさん展示されている。

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こちらが人形の博物館所蔵の裃雛。

4体ある。

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なんか、、、落ち武者みたいでちょっと怖い感じ。

注目したいのは振り袖の赤い生地。赤い地に白い格子模様が入っている。これは山繭縮緬(ちりめん)という布だ。赤い部分が家蚕糸で、白い部分が天蚕糸である。天蚕糸は染色されにくいので、天蚕糸を混織してから布を染めると銀糸を入れたように輝く線が現れるのだ。これが天蚕縮緬の特徴。

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茶色く見える裃の部分はたぶん木綿。

シルクと比べると経年劣化が激しい。

(2023年02月26日訪問)

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