埼玉から来た仕事のお客さんから「埼玉には"武蔵野うどん"という名物があって美味いよ」と教えられた。
ではと、その代表チェーンともいえる「武蔵野うどん竹國」の東松山店へ来てみた。きょう火曜日はサービスデーで平日狙いの来店だが、土日返上で進めていた確定申告が終わったご褒美でもある。
東松山店は他の竹國とちょっと違っていて、料金が他店より200円ほど高いが、お代わりが何回でも自由という特別な店舗なのだ。
このとき初めて武蔵野うどんというものを意識して食べたけれど、美味くてびっくりした。うどんのファストフードは丸亀製麺でファイナルアンサーだと思っていたのに、それを超える美味さ。チェーン店のうどんにこんな可能性があったとは。
わざわざ東松山あたりまで来てうどんだけ食べて帰るのもあれなので、すぐ近くにある動物園を見て行くことにした。最後にこの動物園を訪れたのは学生時代だからもうウン十年も昔のことであり、はっきりした記憶もない。様子もだいぶ変わっていることだろう。
まず駐車場へ。駐車料金は600円、高く感じる。
人里離れた山の中でほかに行く場所もないわけだから駐車場整備コストは入場料で一体的に回収してほしい。1つのサービスの完結に複数回料金を取られると、高く感じてしまうのはマーケティングの教科書にもある。
他所の観光地にもいえるんだけど、公式な駐車場の料金が高いと近隣の住民が私営駐車場をやって旗振りしてたりするので、周辺まで近寄りがたい空気になってよくないと思う。
きょうは平日ということもあって駐車場はすいていた。
入場料は大人700円、子ども200円。
開園時間は9:30~17:00(冬季9:30~16:30)。
年間パスポートは入場料の3倍なので、年4回以上来園するならパスポートがお得。駐車場代だけで入園できる。
入場ゲートを入ってする左側にミュージアムショップがある。
覗いてみたけれど、とりあえず目を見張るような奇抜な商品はなかった。いたって普通。
食事ができる場所はここではなく、園内のけっこう遠い場所にあるので1日過ごすのならばお弁当を持参したほうがよい気がする。
ゲートを入った正面は大階段。
この動物園や駐車場のキャパを考えると、ちょっと面積を使い過ぎじゃないかな。小学校の遠足などで子どもを集合させることを想定した設計なのだろうか。
このあたりは動物がまったくいないコンクリートの広場が続いていて、肝心の動物は敷地の棲みっこのほうに点在しているのだ。
園内の案内図。
最後に来たのがウン十年前なので記憶がかなり違っていて、自分の中では図の右隅のほうにコアラがいたような気もするのだが、配置替わってないよね?
人気者のレッサーパンダとコアラが園内の対角線に配置されているのがなにげに厄介だ。かなりの距離と高低差があり、両方見ようと思うと小さな子だと大変そう。というか、実は大人でも大変。
そのために園内を周遊する乗り物があるのだけど、200円と有料で便数も少ない。
そもそもなんで有料? 園内のレイアウトを巡りにくい設計にしたのだから、ここは無料カートにしてひっきりなしに運行するべき。
さて、気を取り直して動物を時計回りに見ていこう。
最初にあるのはキリン舎。
巨大な建物で、新しい。
学生時代に来たときとは建物が建て代わっているのだろう。
キリンは野外の面積も広く、この動物園の動物の中では最も伸び伸びしていられそうだ。
広くても体が大きいのでよく見える。
続いて、馬エリア。
ここは厩舎の中に入れるのがうれしい。
衛生上のこともあって、一般人を出入りさせてくれる厩舎ってあまりないような気がする。
馬は運動場に出ていたけれど、まぁ、特に珍しい動物でもないのでスルーした。
厩舎を過ぎると、中央売店がある。
中はちょっと寂れていて、ゲーム機などが置かれているが、休憩スペースがある。お弁当を持ってきている人はここで食べるのがよさげ。
ここからはとりあえず東エリアのコアラ舎を目指そう。
コアラエリアにはレストランがあり、カレーとかうどんとかありふれた食事が提供されている。
ただ、正面ゲートからこのレストランまですでに1kmは歩いている。敷地の反対側にあるレッサーパンダエリアからだとかなりの距離。
ランチをはさんで園内を巡る計画の場合、そのあたりをよくよく考えておかないとヘトヘトになるよ。
コアラ舎はガラス張りで、コアラを刺激しないようにはなっているが、土もなくけっこう人工的な環境に見えた。
自分が動物だったらこの飼育舎はいやだな。
コアラはほとんど動かず・・・。
1日のうち20時間は動かないので、こんな感じなのだ。
コアラ舎を出るとツリーウォークをイメージした展示エリアがあり、ナマケモノ、ワラビー、ゾウガメなどがいる。
アリクイって樹に登るんだ!
コアラ舎からまた少し歩くと、途中にエミューがいて、カンガルーエリアに到着。
このあたりは敷地の東の端で、オーストラリア方面の動物が集められているようだ。
カンガルーと人間は低い壁で隔てられていて、カンガルー側からすると行き来は自由。
このエリアにはクォッカがいる。
クォッカは機敏なコアラといった感じの外観で、ウサギくらいの大きさの有袋類なのだが、なにせ穴居性の動物なのでそれなりに警戒心が強く、いまひとつ写真に収めにくい。
腹を出してゴロ寝しているカンガルーとは大違いだ。
オーストラリアの人気鳥ワライカワセミ。うまい感じに鳴き声を聞くことができた。ホントに人が笑っているみたいな声。
子どものころBCLといって海外の短波放送を聞くのが流行ったことがあって、一種のカード集めだったのだが、ラジオオーストラリアで番組の合間にこいつの鳴き声が聞けるというのが有名だった。SONYのスカイセンサーとかいうラジオ、高かったけどみんな持ってたな・・・
オーストラリアエリアを離れると、ちょっとした児童公園がある。
この場所にあるのがカピバラ、ワラビー舎。
この動物園全体でみるとワラビーが至る所に飼われている気がする。繁殖力が強いのだろうか。
ここは柵の中に人間が入る方式なので、とても近くで動物を観察できる。
南米アマゾンのカピバラと、オーストラリアのワラビーが仲良く食事中。
ここまでで、無駄なく歩いたとして2kmほどの道のり。動物を見ながらだと3kmくらいは歩いたんじゃないだろうか。
さすがに疲れたので自販機で栄養ドリンクを買って休憩。まだ3月なのにこんな感じだと、夏場などは水分補給が大変そうだ。
小さな売店があり、子どものおもちゃを売っていた。
いいよねぇ、こういうその場限りで消費していく感じのオモチャ。
子どもがこういうオモチャを欲しがるときって、家族の一番いい時代なんじゃなかろうか、などと思ってしまう。
オーストラリアエリアからは、シカ・カモシカ舎方面へ行けるのだけど、坂があるし、閉園時間がヤバくなってきたので、シカ・カモシカは省略。
キツネザルと水鳥エリアへ向かう。
正直に言って、徒歩でシカ・カモシカエリアへ行く人なんているんだろうか? 近くに他の動物の展示がない行き止まりみたいな場所で、すごく行きにくいぞ。
キツネザル。
美しくユニークな動物と思うのだけど、レッサーパンダほどの人気にならないのは動きが俊敏すぎるからか?
人気動物ってだいたい、動きがのっそりしてるよね。
キツネザルからレッサーパンダ舎方面へ向かう。
途中は里山みたいな森で、動物園内とは思えないさびしさ。本当に道が合ってるの? 誰も歩いていない・・・。
廃虚みたいな鳥小屋もあり、ものすごく不安になる。
でも何とかレッサーパンダ舎に到着。
レッサーパンダ。さすがに人気者だけあって、可愛らしさがものすごい。あざといといってもいいくらいに。
ミーアキャット。
烈子の会社のゴマスリ係長の小宮さん。
ほか、穴居性のテンジクネズミの仲間みたいなのが何種類か見られる。
夜行性の齧歯類展示館。
地味でどこにいるのか分かりにくく、写真が撮りにくい動物たち。
ハダカデバネズミっていうと、日本のSF小説・アニメの『新世界より』の
敷地の西の端にあるペンギンプール。
レッサーパンダ舎からも200mくらいあり、時刻も遅くなっているからか、この辺には誰も来ていない。
なんでこんな遠くにペンギンプール造ったの?
人も来ないし、ペンギンも暇でしょうがないでしょうに・・・。
ペンギンから敷地の外周のメンテナンス用の道路みたいなところを400mほど歩くと、鳥小屋が並んでいる。
サイチョウなど、目当ての鳥がいたから歩いたけど、もうね、このへんは客に見せる気があるのかさっぱりわからない寂れたエリア。
閉園時間が近づいたので、正面ゲート方向へ戻る。
途中にあった牛舎。
乳牛がいて搾乳が見られるという。
動物触れ合いコーナー。
ウサギ、モルモット、ヤギ、ブタなどが触れるコーナーなのだが閉園時間が近いためまったく動物がおらず。
ブタなで回すの好きだから、おさわりしたかった。
コツメカワウソ。
人気動物のひとつ。
閉園の音楽が聞こえると、カワウソ達は宿舎に戻るドアがいつ開くのか気が気でない。
ドアが開いたとたん、一目散に引き上げていく。
正面ゲート付近に戻ったのは閉園時間ぎりぎりだった。
この動物園、園内がかなり広く飼育舎が分散しているのだが、途中の道はただ歩いているだけで無駄に疲れる感じがする。高低差もかなりあるし。
ひと通りの動物を見るには、いっさいの迷いなく最短ルートで歩いても4~5kmくらい、色々見ながらふらふら歩いたら8~10kmくらい歩くことになるのではないか。必要時間は4~6時間くらい。
すべての動物を見るのにはかなりの体力が必要で、小さい子ども連れだとキツイだろう。かといって、何回かに分けてきょうはレッサーパンダだけ、次はコアラだけ、というような見方もどうかと思う。もう少しコンパクトに造れなかったのか・・・。
そういえば、学生時代に来たときもあまり動物のことは覚えていなかったが、歩いて疲れたなという記憶だけは残っていた。
(2022年03月15日訪問)
ワンダーJAPON(4) (日本で唯一の「異空間」旅行マガジン!)
ムック – 2022/1/25
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