行者堂

札所56番。現代の小豆島霊場では結願の寺となっている。

(香川県土庄町淵崎甲)

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小豆島八十八ヶ所霊場の第65番札所、行者堂。

宝生院の駐車場に車を置いたまま、ここまで徒歩で参詣している。

建物は石垣の上の狭い土地にあり、東側から入るようになっている。第55番観音堂と雰囲気も立地も似ている。

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東側には東司がある。

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境内はとっても狭く、建物の軒も低いので、全体的に息苦しい感じのお堂だ。

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やはり本堂は戸締まりされていて中は見えなかった。本尊は役行者(神変大菩薩)だという。

小豆島八十八ヶ所はかつては神社も札所だった時代がある。ここも修験道だからギリギリ仏教といったところだ。でも四国霊場にしても小豆島霊場にしても、修験道的な要素は抜きには考えられない。

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ここにも回向柱があるが、軒の低さがよくわかるだろう。

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この寺は、現代のお遍路さんにとっては結願(けちがん)の寺となる。つまり巡礼の最後に詣でる寺なのである。

なぜなら、お遍路さんは島に上陸して最初に、霊場会総本院で受戒してから巡礼を始めることになっている。そこからあらためて1番札所へ移動すると遠いので、総本院のすぐ近くにある64番松風庵から打ち始めるのが通例になっている。そこから八十八ヶ所を打つと、最後がこの行者堂になるのだという。

小さな寂しいお堂だが、お遍路さんにとっては自分の修行が達成される場所になるのだから、ここはきっと感慨深い風景として記憶されるのだろう。

わたしも徒歩での参拝はここまでとして、宝生院へ戻ることにしよう。

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(2007年10月08日訪問)