小豆島の3日目。昨夜は護国寺を見たあと、中山の農村歌舞伎を鑑賞。私は基本的に「同じところに2度行ったら負け」と思っているので、農村歌舞伎を2年連続で見たのは有り体に言って完敗である。
昨夜は宿に戻ったのも遅かったので、朝は少しゆっくり。
実は今回の訪島は農村歌舞伎を鑑賞するという目的のほかに、もう一つ秘密の目的があった。それは『珍寺大道場』の道場主、小嶋独観さんから聞かされた噂の調査である。その噂とは「小豆島には鉄の処女みたいな感じの、中に人間が入って仏と一体化できる仏像がある」というもの。にわかには信じられない話だが、でも絶対にないとは言い切れない、むしろ無から出た話にしては気が利きすぎている。
ここまでにお寺周辺の住民に何度も聞き込みをしたが、まったく情報は得られていない。いや、そもそも「鉄の処女みたいな仏像」っていう概念を一般ピープルに言語で伝えるのは無理がある。とにかくひとつでも多くのお寺を廻ることだ。きょうも地道にガンバルぞ!
最初のお寺は、土庄の町外れにある東林庵。小豆島八十八ヶ所霊場の第49番札所である。
お堂は人家の裏山の竹やぶの中にある。わかりにくい場所だが、県道からよく見えるように看板が掲げられていたので迷うことはなかった。
ちょっと写真の色合いが変なのは、昨夜、農村歌舞伎の写真を撮ったときにISO感度を最大まで上げたまま戻し忘れたためだ。感度を上げなければ写らない、下げ忘れれば写らない。初期の一眼デジカメなんてそんなものだったのだ。
家と家の間の路地を抜けて山に登って行くと、ブロック積造のトイレみたいなお堂があった。
これが東林庵なのか? と一瞬思ったが、実は通り抜けできるお堂で、本堂は先にあるのだった。あえて言えば長屋門か。
そういえば神社には割拝殿という通行できる社殿があるが、お寺で門以外の通り抜けられる建物ってあまりない気がする。
本堂もたぶんコンクリブロック造。
その先に信徒休憩所、倉庫、東司が並ぶ。
信徒休憩所側から入口のほうを見たところ。
境内はこのような細長い土地に建っていて、横からしか写真を撮れない。
九州や四国の急傾斜地にある「竿屋造り」っていう民家の造りに通じるものがある。
東司の先は竹やぶを抜けて墓地に続いていた。
(2007年10月08日訪問)
福岡県の神社 (アクロス福岡文化誌 6)
単行本 – 2012/5/1
アクロス福岡文化誌編纂委員会 (編集)
amazon.co.jp