恵門ノ瀧からの帰路、山道のカーブから
この小部集落から先には花崗岩の衝き出した荒々しい山肌が続く。通称「灘山」と呼ばれる地域である。
小部の集落から見上げた恵門ノ瀧のある山頂。
本堂前から小部の波止場が見えたので、ここからも恵門ノ瀧が見えそうなものなのだが、見つけられなかった。
灘山集落付近の県道を走っていたら、道ばたに無縁仏ピラミッドがあったので、車を停めてみた。
ピラミッド部分は小さく、むしろ基壇に使われている石組みのほうが堂々としている。さすが採石の町である。墓地の周囲も潮風除けの石垣で囲まれている。
でも石垣や周囲の様子の写真を撮るのをうっかり忘れてしまった。
写真の右側に見切れている小屋は引導場である。これの写真を撮らないなんて・・・。
実はこのとき、墓地よりも背後の山肌に魅入ってしまっていたのだ。
灘山集落の背後にそそり立つ山肌は規則的に切り出したように見えるが、実際は節理によってできた天然の景観であろう。
いっぽう、この垂直に切り立った崖は長年石材を切り出した跡であろう。海岸線から近い場所で採石できて、しかも京阪神エリアへの海上輸送の便もよいことから、小豆島は古くから石の産地として名を馳せてきた。
豊臣、徳川の2度にわたる大坂城の築城にあたっても小豆島からは大量の石材が搬出された。灘山集落はその石切り場の中に取り残されたような森に守られた急傾斜の町だった。
(2006年10月08日訪問)
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