ナッコン村の茶堂

開発中の荒れた新道の休憩所。

(ミャンマーカレン州パアン)

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パアカァ村でヒンドゥ寺院を2ヶ寺見たが、それはあくまで寄り道。きょうの本命はミャインカレイ山脈(ルンニャ山?)の調査なのだ。

ミャインカレイ山脈は北側に大きなセメント工場が2つあり、秩父の武甲山みたいに削り取られた山肌が特徴だ。北側を通るAH1号線からはその痛々しい山容がよく見える。きょう目指すのはナッコン村周辺の南斜面と、以前訪れたナッコンユアパゴダの再調査である。

ナッコン村へ行くにはミャインカレイから南下する❶ルートと、サルウィン川西詰めから西進する❷ルートがある。

❶ルートは途中セメント工場の私有地(点線部分)を通過しなければならず、工場のセキュリティゲートを迂回する裏道を知らないと通行できないという難易度の高いルートだ。

❷ルートは以前にナッコンユアパゴダを調査したときに走行できたので、今回そのルートを逆にたどっている。ただし❶に比べると路面の状況が悪い。特にパアカァ村⇔ナッコン村間3kmはもともと湿地帯だった場所に新しく作られた道路らしく、まだ完成していない。かさ上げ工事が何年か続いていて未舗装の路面は常に荒れている。いずれはかさ上げ工事がおわり、路盤のあるしっかりした街道になるのかもしれないが現時点では悪路というほかない。

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パアカァ⇔ナッコン新道を砂ぼこりをけ立てて走る。この区間にはまったく人家がない。道路状況が悪いせいか他に通行している人もいない。

暑季だから通れるが、こんな調子では雨季には車両は通れないだろう。

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長く続く道の途中に茶堂があった。

雨季の路面状況が悪いときに徒歩で通る人が、豪雨のときに避難するための休憩所だろうか。

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RC造の高床式なので水没することもない。

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ただ、軒の出が少ないのでスコールのときには雨が吹き込みがちだろう。濡れた衣服を乾かすのはたいへんそうだ。

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茶堂を寄進した人の名前が書かれている。

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しばらく進むとまた茶堂があった。

こちらは壁もあるかなり立派な茶堂だ。小さな寺に近い規模である。

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石柱(タコンタイ)が最近新設されたようだ。もしかするとこのままパゴダになっていくのかもしれない。

ミャンマー人にとって、パゴダやお寺を新築するというのは究極の功徳なのだ。来世でも人間界に生まれたいという願いから寺を建てる成功者は多い。

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赤いペンキが鮮やか。

タコンタイの基壇部分には竹の柵がありバナナの葉が飾られていた。葉の萎び具合からきょうの朝に飾られたものだと思う。

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石柱のてっぺんにはオシドリがいる。

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こちらのお堂を寄進した人の名前。(たぶん)

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部屋もあり吹き放ちの空間も広いので、雨宿りにはもってこいだろう。

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井戸もあった。

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この茶堂からはミャインカレイ山脈の南面が一望できる。

これからあの山へ行くのだ。

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(2019年03月16日訪問)