ヒタカリィサーティンダイ尼院の隣りに、奇妙な形のお寺が見える。パゴダのようでもあり、本堂のようでもあり・・・。
山門は水色とピンクに塗られた、サンリオのファンシーキャラの世界。
さっそく入ってみよう。
山門をくぐると屋根付きの回廊になっている。
きびしめにいえば、山門のところで裸足になってもいいのだが、とりあえずサンダル履きのまま進む。
屋根付き回廊のある寺院に入ると、どうしても回廊の中からの写真ばかりになり、その寺院の全体レイアウトがわからなくなってしまう。
なのであえて回廊から出てみるとこんな感じだ。
さらに回廊から離れてみると、お寺の建物はかなり変わった建物だというのがわかるだろう。
これまでの経験から、こういう形のお堂の内部には大仏があることが多い。
回廊に戻って、本堂の入口へ進むと、やっぱりありました、大仏。
どういうわけか、正門から入ると大仏の左側から拝観することになる。大仏は東面しているのだけれど、寺には東門はないのだ。
大仏は基壇を含め全高は6mほどか。
まあ、ミャンマーの大仏としては控えめなほうで、これまでこのサイズの仏像をいちいち大仏とは言及していないこともある。
でもこのお堂は中心にこの仏像が置かれ、天蓋の部分も含めればかなりの迫力があり、やっぱり大仏殿と表現するのが妥当だろう。
大仏の背後にはハチの巣みたいな穴があり、中に様々なポーズの仏陀が納められている。
穴の数はたぶん108。さらに長押みたいなところにも仏像が並んでいる。
ミャンマーの仏教でも108という数字に特別な意味があるのだろうか。
大仏の背後にはメンテナンス用と思われるタラップがあった。
大仏の衣装はミャンマーの王が着る、スパンコールみたいのが縫い込まれた重厚な装束。
全体的にこうした王様の装束を身に着け、冠みたいな兜をかぶった仏陀を、当サイトではマハムニタイプと呼んでいる。
大仏殿の欄間には仏画が並んでいるが、ちょっと遠くて何が描いてあるのかわからない。
こうした仏教故事や地獄絵みたいのって、絵解き説法に使うのかと思っていたが、どちらかというと絵馬的なもので奉納が最大の目的なのかもしれない。
さて、このお寺には大仏殿のほかにもうひとつの建物がある。
それと、なぜか救急車の車庫。
一度境内から出て、もうひとつの建物のほうへ行ってみると、どうやらこのお寺は救急車の派遣業をしているっぽい。
たしかミャンマーでは救急車は病院から派遣されると聴いたことがある。もちろん入院費と込みで有料。でもここはお寺なのだ。これまでお寺に救急車の車庫があるというのは見たことがない。
何かあったときに必要になるかもしれないから、電話番号が見える解像度の写真をここに載せておこう。
では救急車のほうのお堂にお参りしよう。
お堂の前は車庫。
お堂の内部。
講堂というか、ちょっとしたイベントをやるための建物なのではないか。
奥の祭壇に過去二十八仏が祀られている。
中央に1体、左右に14体ずつなので、全部で29体になるが、中央の仏陀はカウントしないのだろう。
興味深いのは、二十八仏の背後にある樹の絵が描きわけられていること。それぞれに対応する植物が決まっているのだろうか。
それに二十八仏の名前も書いてあるっぽい。あとで資料となるように大きめの写真ですべて載せておこう。
(2019年03月27日訪問)
日本の伝統木造建築: その空間と構法
単行本 – 2016/8/8
光井 渉 (著)
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