伯耆大山を離れ、大神山神社の里宮へと来ていた。さきほど紹介した伯耆大山の奥宮に対する、里宮とされていて式内社でもある。
詳しく調べたわけではないが、大山寺と一体となり修験道の寺として繁栄したということではなく、ずっと神社として奉られてきたのではないかという雰囲気だ。奥宮はもともと大山寺の鎮守社であった社を、神仏分離時にこの神社の奥宮として関連付けたというようなことなのではないか。
石鳥居は奥宮と同じ角丸四角形の断面の特殊な鳥居だった。
鳥居をくぐると右側に水盤舎。
水盤舎の対面、つまり参道左側に社務所がある。
参道の先には八脚門の神門。内部には古い狛犬が納められている。
狛犬の阿形。
もうね、なんだかわからない、ゆるキャラか?
狛犬の吽形。
こちらは損傷が激しい。
神門をくぐると正面に拝殿がある。
拝殿は唐破風向拝に千鳥破風を重ねた江戸っぽいくどさ。
本殿は大社造り。
間取りは正面2件×奥行き2間で長方形の平面。
大社造りは正面が偶数間なので、センターには柱があり、入口は左右のどちらかにオフセットする必要がある。
しかしこの本殿は2間分の渡廊が接続している。もしかすると内部も2間の入口なのではないか。
拝殿の左側に籠り所のようなものが太鼓橋で接続している。現在は古札納め所として使われている。
本殿の左側には神庫と、奥宮遥拝所がある。
実際には遥拝所の場所は林の中で、伯耆大山はよく見えない。
神社の外からは大山はこんな風に見える。
伯耆富士ともいわれ、成層火山の形がよくわかる。
境内にはほかに末社がひとつあった。
時刻は17時半をまわった。通常では、大山寺からここまでは15分もあれば移動できる距離だが、車のガソリンが空になりそうでいったん米子市内で給油してから戻ったため、小一時間かかってしまったのだ。
だが、大山寺からここまで来る途中にも気になった寺があったので、さらに道を戻ることにした。
(2005年05月04日訪問)
今こそ行きたい日本の神社200選 (TJMOOK)
ムック – 2022/7/26
島田 裕巳 (監修)
本誌は22社、神宮、大社といった社格の観点に加え、地域ごとの特徴的な信仰なども鑑み、訪れるべき神社200社を厳選。その神社ならではの宝物や建築物といった見所を紹介するほか、祭神の歴史や由緒を写真とともに解説します。
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