興雲閣の北隣にあった神社、松江神社。
つまり、松江城の二の丸の中にある。
境内に入ると左側に水盤舎と、社務所。
社務所の右側には参集殿と思われる建物と神庫。
拝殿は入母屋平入りの建物だが、大ざっぱに言えばこれは権現造の社殿だ。
ネットや書籍などで権現造を調べると、平面図は「エの字」型になっていて、拝殿の背面と本殿の前面の軒が接する屋根伏図の例が出ている。また、権現造は八幡造りを起源にしているというような説も述べられていることがあり、だとすると拝殿と本殿の軒が密着していることがポイントのようにも思える。
したがってこの社殿のように拝殿と本殿の軒が離れているものは権現造と言っていいかどうか迷う。
しかし、当サイトとしては権現造の本質は軒の密着ではなく、拝殿と本殿が石の間で連結していることと、石の間の大棟が拝殿の屋根に乗り上げていて、かつ、大棟の棟高が本殿や拝殿の大棟と同一かあまり変わらない高さであることを満たせばいいと考えている。
この松江神社は元々東照宮だったこともあり、その経緯からも権現造と言い切ってしまっていいだろう。
(2005年04月30日訪問)
福岡県の神社 (アクロス福岡文化誌 6)
単行本 – 2012/5/1
アクロス福岡文化誌編纂委員会 (編集)
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