岸見の石風呂

保存状態がよく現在でも使用できそうな石風呂。

(山口県山口市徳地岸見)

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再び、徳地町へ戻ってきた。時刻は18時、きょう最後の訪問地は石風呂である。

今夜は山口市に宿泊する予定なので、あとにして思えば野谷の石風呂→(ここ)岸見の石風呂→桂光院→国道9号で山口市、という順番のほうがマシだった。

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岸見の石風呂も重源が伝えたといういわれをもつ、徳地町を代表する石風呂だ。

国の重要有形民俗文化財に指定されている。

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風呂は昔風に茅葺きに復元された建物の内部にある。

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石積みと土壁で作られた立派な石風呂だ。

周囲にはムシロや籐まくらなどが置かれていて、使用感がある。単なるお飾りの文化財ではなく、実際に使用可能であることがすばらしい。

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扉は開き戸になっていて簡単に出入りできるの中に入ってみた。

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内側は石積みがむき出しになっていて、熱で赤く焼けている。床にはムシロが何枚も重ねて敷いてあった。

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天井をみたところ。

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建物の一角は畳敷きになっていて、祭壇がある。ここには重源を祀っている。

その重源の命日である旧暦6月5日を開山忌として、石風呂に入る風習があるという。そのあたりが国指定された理由だろう。

風呂のまわりに使用感があるのも、いまでも年一度実際に火入れしているからではないか。

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建物の横には薪が積まれていた。

石風呂の加熱には、松葉や柴などを使うという話をよく聞くが、ここではこんな立派な薪を使うのだろうか。

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すぐ裏手には沢水が流れていた。この水で汗を流したのかもしれない。

(2003年09月04日訪問)