徳命新居須の八坂神社

鉄筋一点モノのはかなすぎる滑り台がある。

(徳島県藍住町徳命新居須)

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徳島市北部のショッピングゾーン、県道29号線。

でもその県道から少し外れれば、まだごみごみした迷路のような農村の集落が点在している。

この神社は、ケーズデンキ藍住店の少し南にある新居須という字にあった。

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この神社を訪れたのは、特別な理由があったわけではない。私は吉野川下流域の神社仏閣をすべて見るというつもりでいたから、ちょっとした買い物の帰りでも、神社があれば立ち寄って、ひとつでもクリアしなければならないのだ。

これはもはや作業なのである。

拝殿は西面していて、切妻平入りの建物。

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本殿は石の間を経て、覆屋で覆われている。内部ははっきりとは見えないが流造ではないかと思う。

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神輿庫と思われる建物が本殿の右側にあった。

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境内は広くないが、鳥居の横には百度石があった。

お百度カウンターは、拝殿にも百度石にも見当たらなかったので自己カウントということになる。

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五角形の地神塔。

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境内には火の見櫓もある。

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吉野川下流の寺社をすべて見るというわけだから、この神社より先に紹介すべきところがあろうと思うが、今回は滑り台紹介のカテゴリなので滑り台のある神社が優先なのだ。

境内にはブランコと滑り台があった。

ブランコは6基もありしかも半分はイス型。

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滑り台は全体的に細い鉄筋で作られており、手作り感がすごい。

滑降部はステンレス。

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こうした一点モノっぽい鉄製滑り台は貴重なので、よく記録にとどめたいところだ。

横から見ると頼りないほどの薄さ。

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特筆すべきはこのタラップの透け具合。

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なんと踏み板がなく、鉄筋だけで作られたハシゴなのだ。強度的には大丈夫と言われても、経年劣化等が心配な構造だ。

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デッキから滑降部をみたところ。デッキのタイプは「開放デッキ」。

滑降部の手すりが壁でなく束で支えられている滑り台は、滑降中に子どもの指や衣服が引っかかる原因になると思われ、大手メーカーでは敬遠される造りだ。

それゆえ、こうした束のある手すりの滑り台は特に貴重と言っていいと思う。

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滑降部下部は緩やかに水平になっているが、地面からの高低差はゼロで、滑りおわってから立ち上がりにくい構造である。

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境内から参道方向を見たところ。

門前にある赤い屋根の民家は、徳島や香川の民家を代表する構造で、これを四方蓋(しほうぶた)造りという。

2018年3月現在、もう滑り台は撤去されてしまっているようだ。ブランコは健在。

(2004年09月02日訪問)

日本のお寺・神社 絶壁建築めぐり

単行本(ソフトカバー) – 2019/6/22
飯沼義弥 (著), 渋谷申博 (監修)
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