ウィンセインのパオブティック

パオ族の民族衣装の専門店。

(ミャンマーカレン州パアン)

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きょう最後の訪問先。往路で見つけた気になるお店。

ရွှေလမင်း(シュエラミン) (GOLDEN MOON)」

パオ族の民族衣装専門店。これは看過できない店だ。これまでカレン州でカレン族の民族衣装専門店は何軒か覗いているが、それ以外の民族のブティックは初めてだ。

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店構えはすごく地味。よく注意していないと見過ごしそう。

パオ(ပအိုဝ်・Pa-O)族は、ミャンマーに135以上あると言われる少数民族のひとつで、別名を黒カレンとも言う。

彼らの伝説によれば、パオの起源は男性シャーマンと、女のドラゴンとの間に生まれたとされる。

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紺色の衣装とタオルのターバンを巻いているので遠くからでもよく目立つ。左写真はのターマニャヒルの門前で見かけたパオ族。ターマニャ僧正もパオ族の出身のため、ここウィンセイン町はゆかりの深い土地なのだろう。

歴史的にはパオ族の祖先はタトン近辺に住んでいたが、11世紀にビルマ族アノーヤター王に征服されて奴隷となった。彼らが身に付ける紺色の衣装は、奴隷の身分を示すために強制されたものが始まりという説もある。

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こちらは以前にゴールデンロックへ行った時に見かけたパオの人たち。このとき一緒にいたミャンマー人(カレン族)も、

「あっ! パオがいるよ! 一緒に写真撮りなよ!」

みたいな感じだったので、カレン州近辺ではちょっと特別な扱いなのかもしれない。

ちなみにこの写真で彼らが胸に付けている紺、赤、緑のバッジは彼らが学生とか政治団体に所属しているというわけではなく、パオ族の一般的なアクセサリーである。

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さて、さっそくお店の中を見てみよう。

店員さんはこの家の娘さん。店内のポスターなども彼女がモデルとなって撮影したものだ。

店内にあるものはすべてパオ族のファッション。

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これがレディースのパオドレスだ。色やデザインに差はないので、選べるのはサイズだけという感じ。なんだか学校の運動着売り場みたいな風情だ。

そのかわり、右の棚にはターバンにすると思われる鮮やかなタオルがふんだんに揃っている。

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「こんな感じになるのよ」

わ、これはレア感がたまらない。

「買うか? 買うしかないのか!?」

散財になるが、レディースの衣装を上から下まで揃えることにした。

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娘さんが上下の衣装を着せてくれる。

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ターバンは娘さんでは巻けなかった。たぶん自分では巻けるけど、相向かいで他人の頭に巻くのはまた別なのだろう。

奥からお母さんを呼んできてくれて、巻きかたを説明してもらった。

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日本でもう一度おなじように巻けるかなぁ・・・

タオルは色々なデザインのものを出してもらって、そのなかから選んだ。ターバン専用の布地というわけではなく、明らかにタオル地だ。

日本人が買いそうと知って、どうやらお母さんは一番いいタオルを並べてきたみたいだ。中国製だが日本で贈答に使うような厚手のしっかりしたタオルできれいなプリントがされているもので、値段も2,500円くらいした。タオルだけで衣装と同じくらいの金額になった。

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あと、パオの出自を表わすドラゴンのピンバッジを購入。

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「ありがとうございました~」

買い物袋もかなり豪華。

「この袋の写真も私よ!」

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店内のほかの様子を見てみよう。

こちらは神棚というか、仏壇。ターマニャ僧正の写真が飾られていた。

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これはジャージ。

普段着かな。

西武ライオンズと相性がよさそうな配色。

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手軽なお土産としてはパオの旗がプリントされたTシャツもある。

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ビクみたいなポシェット。

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シャンバッグにもドラゴンがプリントされている。

このお店、カレン州ではめずらしいブティックなので、ターマニャヒル観光と一緒に立ち寄ってみてはどうだろうか。

(2017年01月04日訪問)