ジャイン川の左岸を行く。2つ目の集落、タラナ(တရနာ)町へと着いた。
タラナはジャイン川に面した河港町だ。村の入口に僧院の参道があったので入ってみた。
村内には里門が目立つ。
このように、ひとつの里門から隣の里門が見えるという場所がジャイン川沿いの村々にはけっこうある。
これは十字路に建てられた門。
多くのミャンマーの里門は下部がコンクリ製のベンチ、兼、基礎になっているのだが、この門は十字路にある関係上、独立基礎(礎石の上に柱が差し込んである構造)だ。地震や強風などに弱そう。
参道の突き当りに僧院があった。
どうやら修行専用の僧院で参詣で入るには向かなそう。入るのはやめておこうかな。
僧院の前にはジャイン川へ降りる道があったので、河畔まで出てみることにした。
道の先は船着き場になっていたが、桟橋などがなく、ヘドロ状の土の上に舟を引き上げてあるという造り。
道からは生活排水が流れてきていて、それでヘドロ状になっているのだ。ちょっと川辺までは歩けない。
船着き場はだいたい似たような構造だった。
ずいぶんたくさんの舟が並んでいるな。
ふと横を見ると、僧院から川の中にデッキがつき出していてパゴダがあった。
一応、参詣するようなところがあるんだ。やっぱり参詣していくか。
僧院へ入ってみる。
回廊の両側に講堂や僧房が並ぶだけで、ここから見る限り、参詣できそうな寺ではない。
川に突き出たパゴダは講堂の裏側にあって、山門のあたりからは見えない。
僧房。
その横でも新たに僧房を増築中だった。
境内の奥に進んでいくと、立派な船着き場があった。
この僧院は川から出入りできそうだ。
川に着き出したデッキの上に行ってみた。
パゴダは陸屋根の上に仏塔を載せた造り。下部は室内空間がある。
内部にはおびただしいコブラ光背の仏像。
これまでコブラ光背の仏像は、ムチャリンダの主の龍王が釈迦の瞑想をサポートしたという説話にもとづくものとして「ムチャリンダ仏」と呼んできた。
だがこの仏像の印相は瞑想を表す禅定印ではなく、説法を表す転法輪印なので、ムチャリンダの説話とは合わない。別の物語があるのだろうか。
ペアとなるタコンタイは上にオシドリをのせたシンプルなもの。
デッキからはジャイン川を見渡すことができる。
下流側には遠くにジャイン・ザタピン橋が見えた。
漁師が漁をしている。
この町からは渡船も出ていそうだ。おそらくザタピン町まで行けるだろう。
上流側を見たら、目指していた山を発見。
ずっと見失っていたので心配になっていたが、着実に近づいていたのだ。山は左岸にあった。しかも山麓に大きな寺が見えるではないか。これは行く甲斐がありそう。
この僧院があったタラナ町は、あとで地図をみたらけっこう大きな河港町だったのだが、このときは地図なしで走っていたので村はずれで僧院を見ただけで通過してしまった。
今度来ることがあれば、町の中や河岸場などをくわしく見てみたいものだ。
(2015年04月26日訪問)
古建築の細部意匠
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