シュイピータン僧院

サダンケーブ参道の入口にある広い僧院。

(ミャンマーカレン州パアン)

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エインドゥ町は機織りの町であると同時に、交易の町でもある。町の中心部に大きなY字路があり、左へ行けばザタピン町を経てモーラミャイン市へ、右へ行けばコーカレイ町を経てタイ国境のミャワディ市まで3時間である。どちらの道も、最後まで舗装されているカレン州南部の動脈だ。

おのずと交通量が増え、人や商品を中継ぎする商いが発展したのだろう。

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さて、いまエインドゥ町を南進しているのには理由がある。

左写真は、さきほどのウダウンパゴダから南を見た光景だ。

中央に平地からそそり立つ岩山が見える。きょうの最終目的地としてあの岩山を目指すつもりなのだ。航空写真で見る限り、小さなお寺があるようなのだが、なにしろ細かいところは行ってみなければわからない。

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町中のY字路をエインドゥ・ザタピン街道へ入り、ひたすら南進する。

舗装されているとはいえ、大型車がすれ違う場合は路肩にはみ出さないといけないくらいの狭い道だ。もっとも、幹線道路たるAH1号線のエインドゥ・コーカレイ間も似たり寄ったりの状況なので、カレン州の田舎でこのくらいの道ならば、充分いい道と言える。

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今回の目標は岩山なので、道に迷うことはなく、目視で寄せていくことができるので助かる。

山のふもとに寺が見えてきた。

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あれ?

お寺へ行く橋が落ちてる・・・。

それとも工事中?

岩山の頂上には小さなパゴダが見えるが、階段などはなさそうで登るのは面倒そうだ。

「見た」ということにして、引き返そう。

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エインドゥ・ザタピン街道の途中には、サダンケーブへ方面への入口がある。

以前、職場のスタッフの運転で来たことがあるが、もっと狭い道を通って大変だった。こっちから入ればいいんじゃないか。

その入口の角に僧院があった。

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私は、基本的に観光用でない僧院へは入らないことにしている。というのも、僧房や学校があるだけで、大して面白くもないし、そもそも、僧院があるごとに入っていたら、数が多すぎてキリがないからである。

だが、この僧院は境内に築山のようなものが見えたので、入ってみることにした。

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境内は見える範囲だけでも4ヘクタールはあるだろう。奥の林も寺の敷地だとすれば、さらに倍くらいの面積がある。

山門を入ってしばらくオートバイで進む。

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境内は草原になっていて、ウシやヤギが草を食んでいた。

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これが、問題の築山。

境内には人っ子ひとり見当たらない。

とりあえずこの築山に上ってみようか。

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おそらく自然の山を一部造成したものだと思う。

法面は砂防堰堤かと思うような、いかつさ。

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階段の上で履物を脱いでいく。

階段を上がった正面には八角形の建物があった。

天気がいいので、タイルが焼けていて足の裏が熱い。

日陰から日陰へ全力疾走しないと、火傷しそうだ。

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建物の上部はパゴダになっている。

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建物の内部には四面仏があった。

托鉢を持っているという珍しい印相。

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パゴダとペアになるタコンタイ。

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てっぺんにはクジャクとオシドリが載っている。

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八曜日の守り本尊。

よく菩提樹の周りに作られることがあるが、ここではコンクリ製で樹の形を作っている。

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私の守り本尊である、牙のないゾウにお参り。

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南のほうにもなにか堂があるので、日陰から日陰へとダッシュしながら、移動する。

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途中にあった築山。

ここは本来の岩山の地肌なのだろう。

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南側には小さなパゴダと鐘撞きがあった。

日射が強い場合、なるべく白っぽいタイルの上を歩くとましである。

このように打ちっ放しのコンクリは最悪だ。

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築山の上から僧房を見る。

洗濯物などを干しているので修行僧はいるのだろう。

このサイトを執筆するうえで、名前がわからないと困るので、人がいれば極力、名前を訊くことにしている。

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こういう僧院では近づいていけば誰か出てくるものなのだが、ここでは誰も出てこなかった。

仕方がないので、2階まで上がって休憩中の修行僧を見つけてお寺の名前を教えてもらった。

(2014年11月23日訪問)