広瀬川にいくつかある県の発電所のひとつ、関根発電所。
この下流にはすでに紹介した柳原発電所もある。
広瀬川の水源は阪東橋付近の取水堰と、さらに上流の綾戸ダムから引き入れたものだ。水量はとても多く、一年を通じて、並流する利根川の本流よりも広瀬川のほうに多くの水があるように思える。その大量の水が、発電所の手前で少しでも高さを稼ぐため堤防でかさ上げされて天井川のようになっているのだ。
薄いコンクリの壁一枚を隔てて、地面よりも高いところに水面がある。
これは正直、かなり怖い風景ではないか。こういうモノが苦手な人が見たら、顔色が青くなりそう。
すぐ近くには橋もあるので、黒々とした水面を思う存分眺めることができる。
発電所は逆に地面より掘り下げた土地に建っている。
市のホームページによれば、昭和42年に運転を開始。最大出力は7,800KWとのこと。
こうした巨大な縦穴もまた恐怖をさそう。
もしかして私が発電所を見るのが好きなのは、怖いもの見たさからなのか。
発電所を通らずに放水する傍流の水路。何らかの非常時にこちらから水を排水するためのものだろう。
こういう水路も、この底に立っているときに放水されるような想像をすると無駄に怖くなってくる。
放水用の水路は少し下流で本流に合流するようになっている。
上流では地面より上にあった水面が、ここではかなり下に見えるので、発電所でかなりのエネルギーに転換されているのがわかるだろう。
2020年、事故により発電施設が使用できなくなり、広瀬川の全水量が非常用の越流堤から迂回水路に放出される事態になっている。
まあ非常設備がきちんと動作しているということなので、よかったのだが、放水が長期に及んでいるため近隣住民から騒音などの苦情が出ている。
見ているだけで怖いよ・・・。
(2013年01月27日訪問)
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