前橋市の中心を流れる広瀬川。その北側には戦前、多くの製糸工場が建ち並んでいた。
旧安田銀行担保倉庫のある一角、住吉町2丁目となっているあたりを訪ねてみたが、なかなか製糸工場の建物は見つけられなかった。
だが、生糸作りにかかわっていたのはなにも製糸工場だけではない。製糸の後工程の撚糸や精練をする工場もあったし、また、製糸工場が使う繭を商う仲買商もたくさんあった。
ここ「大野商店」はそうした繭の仲買いをしていた家のひとつだという。門柱などは当時のままであろうし、建物も繭商時代のものの可能性が高いと思う。
現在でも表札は当時もまま。
そういえば、城東町に大野製糸という玉糸製糸があったが、その縁者なのだろうか。
大野商店の西隣の敷地はいまは駐車場になっているが、ここには守矢製糸場という製糸工場があったという。
(2014年09月07日訪問)
異界神社 -ニッポンの奥宮-
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本田 不二雄 (著)
「ニッポンの奥宮」に往って還ってくること。そんな不要不急の旅でしか得られないものが確かにある。そんな神域に行かなければ埋められないピースが、われわれの心の中にはあるのだ。
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