ミャンマーの職場に着任してすぐのころ、マネージャーに「3週目の休日にお寺連れて行くけど、どこか行きたい所ある?」と聞かれたので「ムドンの寝釈迦見たい!」と答えてみた。
「ん? 寝釈迦はバゴーというところにあってすごく遠いよ?」
確かに普通の日本人のお客さんが寝釈迦を見たいと言ったら定番はバゴーだろう。でもすぐに職場の他のメンバーが「あっ、ムドンにもあるじゃん!」「 あ、あれか、そこなら行けるな」とわかってくれた。
着任して3週目の土曜日、朝、ホテルに迎えに来た車を見てびっくり。
トラックの荷台に職場のメンバーがほぼ勢ぞろい。15人ほどが荷台で体育館座りでぎゅうぎゅうに乗っている。これってちょっとした社員旅行だ。
ムドンはパアンから南方に90kmほどのところにある町。『ビルマの竪琴』で、主人公たちの小隊が収容される捕虜収容所があったという設定の町なので、名前を聞いたことがある人もいるだろう。
そこまで、トラックの荷台で揺られながらの道のりだ。
ムドンへ行く途中には、モーラミャインという町を通過する。モーラミャインはモン州の州都であり、人口49万人、ミャンマーで3番目に大きな町である。
その町の主要な交差点には立派なロータリーがあった。
これは市街地北東のロータリー。通過する道路は、環状路に直角にぶち当たって一時停止するのではなく、左写真のような三角形の誘導路でスムーズに合流するようになっている。
環状路の中心にはアーチがあって、その頂上部にはヒンダーの像が載っていた。
モン州に入ってからは、このヒンダーの像を見かける頻度が高いように感じた。
環状路を通過中の様子。かなり大きなロータリーだということがわかるだろう。
ロータリーのどこで抜け出たら、目的地へ行けるのか周回中の風景だけで判断しなければならない。
この交差点は四差路、つまり十字路なのだが道路の交差角度が90度ではないため特に風景の見極めが難しい。
ただ直進するだけでも道を間違えそう。
ロータリーというと、観光地などにある歴史的な道路構造というイメージがあるが、ミャンマーではわりと普通にある。ここのように四差路の交差点にもロータリーが設置されることがあるのだ。
そのわけは、ミャンマーで電気式の信号機を365日、24時間、故障させずに運用するのが難しいからではないかと思う。停電も多い。それならば多少土地が無駄になっても、信号機を付けずにロータリーにするほうが確実なのだろう。
(2014年02月08日訪問)
新・鉄道廃線跡を歩く5 四国・九州編
単行本 – 2010/3/30
今尾 恵介 (編集)
ベストセラーの名著が蘇る!九州鉄道旧線・佐世保鉄道・肥筑鉄道・筑後軌道・高千穂鉄道など50路線。
amazon.co.jp