さきほど見た郷原の飼育所から、西へ100mほどしか離れていないところに、もうひとつ土室育標準型の飼育所が残っている。
ここは国道18号線に直接面していることからわかりやすい飼育所だ。飼育所巡りの目的以外で漠然と道を走っていて気付いた数少ない飼育所のひとつだ。
建物は東西に建っていて、東側が配蚕口。
配蚕口の戸はアルミサッシュになっていて、建物は補修されている。越屋根の窓もサッシュに取り換えられている。
炭火用の換気口はコンクリでふさがれている。
サッシュを取り付けたときに内部も改装されたのだろう。
実はこのとき、この飼育所は座繰作家・
東さんは、群馬の特徴的な糸取りである座繰を再現し、特注に応じた糸を小口生産している。
内部の様子はこんな感じ。繭がたくさん置かれている。
小屋は木造トラス、室は作業場や物置として使われていた。室に障子が取り付けてあるが、これは蚕絲館で取り付けたものだという。室はかなり手が加わっているがブロック電床育だったようだ。
左写真で障子がある部分はもと挫桑場だが、部屋に改装されていた。
蛇のお札が貼ってあった。繭をネズミがかじるため、そのネズミを食べる蛇を神社から借りてくるという信仰にもとづくものだ。
このお札を出しているのは、安中市の
(2008年05月03日訪問)
ひなび旅ひなび宿 Ⅱ(2)
単行本(ソフトカバー) – 2023/8/2
道民の人 (著)
北海道から九州、各地方から計12軒の現役の宿と、廃墟となってしまった宿1軒を掲載。 全82ページ
amazon.co.jp