秋間丘陵の飼育所のチェックは、だいたい半分くらい終わっただろうか。帰路は国道18号の旧道を通って帰ることにした。
この旧道には、江戸時代に整備された杉並木が約500mほど残っている。
この写真は、昼間ここを通ったときに撮ったもので、実際に帰路の時間帯にはもう夜になっていた。
実はこの道に面した一角にもかつて飼育所があり、昼間チェックに訪れていたのだ。飼育所跡地は現在は蕎麦屋になっていた。せっかくなのでその蕎麦屋で夕食を食べることにした。
その蕎麦屋の建物の外観は、平屋の切妻に越屋根をのせた造りで、まるで稚蚕飼育所の外観を再現したかのようなのだ。関連を店主に訊ねてみたが、ここにむかし稚蚕飼育所があったということは知らないようだった。偶然の一致なのだろう。
この店、蕎麦は量が多く味も悪くない。特筆すべきは閉店時間が遅いこと。遅い時間からも蕎麦が食べられるのはうれしい。この店はその後も2度ほど訪れている。
さて、碓氷地方でここまでの飼育所の様子をまとめると、4つの特徴があったように思う。
- 観音山丘陵の高崎から見て裏側にあたる地域では貯桑室が地下ではない飼育所があった。
- 他地域では希少な土室電床育の飼育所が多く残っている。特に九十九川から南に多い印象。
- 3齢配蚕のために、専用の3齢飼育室を持つ飼育所があった。3齢は
室 を使わない棚飼いだった。 - 秋間川流域では比較的新しいブロック電床育飼育所が多く、榛名南面と傾向が似ている。
明日は、この杉並木付近から飼育所巡りを再開することになる。
(2008年05月02日訪問)
歴史文化遺産日本の町並み 上巻
単行本 – 2016/1/1
苅谷 勇雅 (編集), 西村 幸夫 (編集)
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