簗はどうも関東に多くあるようで、この碓氷川の水系には2箇所の簗場がある。ここはそのうちのひとつ「磯部やな」。
お店で食事をしないと簗を見学できないのかと思っていたが、ここは温泉街ということもあってか、散策客も簗を間近で見られるようになっていた。これは嬉しい誤算。
簗の50mほど上流で川を二つに分け、一方の水路を梁へと誘導していた。
これが磯部簗。
一見して、「これ、魚捕る気ないだろ?」と唸ってしまう造りだ。
まず水路を塞ぐようになっていないし、そもそも、スノコが水面からけっこう浮いている。魚がかからないまでも、流れてきたゴミなどが乗っかっているようでなければだめだ。
他の簗に行ったこともあるが、確かに客に食べさせるほど次々に魚が打ち上がる状態ではなく、実際は他の場所から仕入れた鮎や鯉などを食べさせていた。言わば簗自体は飾りなのだが、さすがにこの造りはちょっと夢がなさすぎはしないか。
店にはいけすがあり、近くに塩焼きにするためのイロリがあるので、鮎料理が食べられるのだろう。
私は川魚が好きなので、いつか簗めぐりなどしてみたいと思っている。
(2013年08月25日訪問)
図解建築用語辞典
単行本 – 2013/12/1
建築用語辞典編集委員会 (編集)
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