
だいぶスケジュールが押してきたので、急いで次の寺へ向かわねばならないのだが、国道2号線に出たところですごい寺が見えたので思わず引き寄せられてしまった。
「国道2号線を守護する八幡地蔵尊・交通安全・災難滅除・祈祷殿」という巨大な看板。その看板の通り、寺は国道2号線バイパスを見下ろす丘の上に鎮座している。
名前は、龍玄精舎というらしい。宗派はたぶん単立。

広い駐車場もあるのでさっそく車を停めて参詣する。
駐車場にあった堂。何が祀られているかは確認を忘れた。

本堂。本堂は遠くからも見えるように、高い基壇の上に載っていて、実質的に2階が入口になっている。
境内はすごく広いのだが、人っ子ひとりいない。いくらなんでも、一人くらい人がいてもよさそうなものだが、まるで人の気配がなく静寂そのもの。普通、寺は静寂に満ちているほうが気持ちが落ち着いてよいのだが、新興寺院であまり静かだと、立入禁止地帯に足を踏み入れてしまったのではないかという気がしてきて逆に落ち着かない。

内部に金色堂を建設する計画が描かれていた。(現在、すでに完成しているもよう。)

本堂の左側には蔵王殿という堂がある。
境内の完成予想図によれば、本堂の右にもこの堂と同じ形式の堂が対称に建ち、平等院鳳凰堂のように渡廊で接続される予定らしい。
建物のスケールが普通の寺と違い、人間が小さく見えてしまうような空間だ。大規模な寺の宿命ではあるが、ちょっと植樹したくらいでは落ち着いた空間にはならないだろう。

蔵王殿の周辺には水盤舎と鐘堂。
蔵王殿の背後には東司があった。

蔵王殿の背後には仏舎利塔(ストゥーパ)がある。
甘食みたいな個性的な曲線のストゥーパだ。

境内には無数の地蔵菩薩が立ち並んでいる。
『スターウォーズ・クローンの逆襲』という映画で、CGのロボット兵が「まるでCGみたいに」整列しているというおバカな場面があるが、この光景はまさにCGのよう。
触ってみたら樹脂製ではなく、大理石のように感じられた。聞くところによると、型抜きで成形できる石そっくりのモルタルがあるらしいので、たぶん型抜きで造られたものなのだろう。

境内の右手の端には、鎮守社の宇佐八幡神社。

入口付近にある信徒休憩所。内部には写真が展示してあって、絵馬堂の風情。
写真は信徒たちが石鎚神社の奥の院に参詣したときのものだった。
あまり居心地のよい寺ではなかったが、こういう血気盛んな寺は嫌いではない。今後も堂塔の造営にがんばってほしいものだと思う。
(2002年08月28日訪問)