戦争遺跡を見学しながら、ほぼ島を反時計回りに一周した。途中のテニスコートのあたりから、ちらほらウサギの姿を見かけた。
日ごろ野山で見かけるウサギはノウサギだが、大久野島にいるのは野生化したカイウサギだ。
カイウサギといっても、ペットではないので近づくと逃げてしまい、触ったりはできそうになかった。このとき使っていたデジカメはシャッターのタイムラグがひどかったので簡単にはアップの写真は撮れなかった。
左はかなりがんばって撮った写真。
私はいままで公園などで捨てられたと思われるカイウサギを何度か見かけたことがある。場合によっては複数の個体を見かけたこともある。だが彼らはいずれ野イヌやキツネなどに襲われる運命だろうと思われた。
この島にはウサギを襲う動物がいないので、こうして繁殖できているのだ。
品種改良された哺乳類を野に放つことには、反対する意見もあるだろうと思う。だが、ウサギからすれば、自分たちが人間に作られたいびつな存在だという自覚もないだろうし、生態系を守るために殺されることも望まないだろう。私は、外来動物を野に放つことも、野に放たれ世代を重ねた生きものを根絶やしにするのにも反対だ。
外来生物が問題なのなら、写真に写っているキョウチクトウだって存在してはいけない植物である。
島を一周して毒ガスの記念館のあたりに戻ってきた。その周辺にもいくつか遺構らしきものがあった。
記念館の野外展示。毒ガスを製造した装置の一部。腐食を避けるため陶器の部品が使われていたようだ。
(2002年08月27日訪問)