旧宮城村へ入ってからはすぐには飼育所は見つからなかった。
これまでたくさん見てきたブロック電床育方式の飼育所は、昭和36年に宮城村で考案されたといわれている。宮城村はブロック電床育の発祥の地なのである。
日が傾きかけたころ、苗ヶ島という場所で大きな飼育所を見つけた。2連タイプの大型飼育所だが、よく見ると屋根からの換気が越し屋根になっている。
越し屋根は土室育方式の古い飼育所に見られる特徴である。これまで見てきた電床育方式の飼育所はいずれも換気塔であった。
屋根は木造で古そうに見える。2連タイプの飼育所としては、これまでに見たなかではもっとも古いものではないかと思う。
建物は比較的きれいに修繕されていて、現在は工場として使われているようだった。
消毒槽も残っている。
南側にはムロの位置にあわせて、窓が新設されている。内部は相当手が加わっていることだろう。
(2007年02月13日訪問)
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