小神明稚蚕飼育所

窓のない建物。個人所有の飼育所。

(群馬県前橋市小神明町)

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稚蚕共同飼育所巡り3日目。

最初に訪れたのは、前橋市小神明町。初日に訪問した、上細井稚蚕共同飼育所からはすぐ近くの場所だ。

飼育所巡りも3日目になり、事前調査もより綿密に行うようになったため、初日には見逃していた飼育所をチェックするために同じような地域を再訪することになってしまった。

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個人所有と思われる施設で、調査した古い地図ではこのエリアには他にも個人所有の施設があったようだ。今回の飼育所巡りでは、個人所有の飼育所は初めてだと思う。なので、タイトルはあえて「共同」をはずし、「稚蚕飼育所」とした。

個人の敷地なので、外からみるだけになってしまったが、いままで見てきた飼育所とはあきらかに形状が異なる。

換気は換気塔ではなく、越し屋根による煙出し方式。窓が少ないのが特徴だ

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南側からみても一切窓がない。

もしかすると内部は一部屋の大部屋方式なのかもしれない。

蔵や倉庫のような頑強な建物を使用して、大部屋を気象管理して稚蚕を箱飼いする手法を「天竜育(てんりゅういく)」と言う。群馬県で天竜育が行われたかどうかはよくわからない。

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この飼育所を探しているときに見かけた農家。

写真は裏山からなので、低く見えるが実際には2階の上に越し屋根が載っているため、3階のように見える。

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上とは別の民家。

やはり3階のように見える。

古い地図では、この家の敷地内にも飼育所があったようだ。昔いわゆる「種屋(たねや)」(=蚕の卵の販売)をしていた農家かもしれない。

(2007年02月12日訪問)